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CRANE 震災義援活動 |
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● 工房クレーンは今年(2011年)の楽器製作の収益金のすべてを東日本大震災への義援金として寄付します
最終報告:2011年12月31日:寄付総額:633,131円
ありがとうございました!
【地震について:気象庁発表による】
2011年3月11日14時46分頃に三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生しました。
この地震により宮城県栗原市で震度7、宮城県、福島県、茨城県、栃木県で震度6強など広い範囲で強い揺れを観測しました。また、太平洋沿岸を中心に高い津波を観測し、特に東北地方から関東地方の太平洋沿岸では大きな被害がありました。気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名しました。
また、東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所事故による災害については、「東日本大震災」と呼称することとなりました。
● 【工房クレーンの考える支援】
震災直後から「弦楽器工房として何かできることを...」と、あれこれ思案し、まず行ったのがチャリティーオークションでした。自作のカポタストや楽器や自演の音楽CDなどをYahooオークションに出品し、収益金を日本赤十字社を介して被災地へ寄付しました。しかし、当初から気になっていたのが、想像を超えた被災状況で、日本人が過去に経験したことのない、とてつもなく規模の大きな災害であること。長期化するであろう復興支援、それを支える財源の問題、人的支援、原発問題、あげくはワケノワカラン風評被害。電力設備の回復も5年かかるか10年かかるか、先の見えにくい状態が続くでしょう。ウチの工房がわずかな義援金を送ったところで果たして役に立つのか? ウ〜〜〜ム、それでもやりましょう。口より手を動かすのが楽器職人。寄付なんてのはやりたい人がやればいいのです。人に勧めるものではありません。自己満足でも結構。共感してくれる人がいればなお結構。
私は兼業の弦楽器製作家。いわば兼業農家みたいなものです。ふだんは講師の仕事があり、それとは別に弦楽器の仕事をやってます。兼業ならではのとりくみとして、今回は当工房CRANEでできる限りの被災地支援を考えました。弦楽器がらみの収入をすべて寄付しても講師の糧があるので、生活に困って死ぬことはないのです。兼業の弦楽器製作家にしかできないことをトコトンやってみようと決意しました。諸費用/必要経費を除くすべてを被災地へ寄付します。
公的な支援団体や募金団体、あるいは現地の市町村や支援活動に直接参加した人々から話を聞き、いくつかの調査を行ってきました。次第に明らかになったのは地域的にバランスのとれた機敏で計画的な支援が難しくなっていることでした。物資や人の分配やそのハンドリングがうまくいっていない地域が多くあります。寄せられているはずの資金も適切に充当されにくくなっているわけです。なかには直接現金を現地に届ける人も少なくありません。国の機関もユニセフも赤十字社も、その他ほとんどの支援団体がそうですが、経験したことのないケタ外れの今回の震災に、戸惑いや不慣れな対応が多く見られます。たしかに、今後どれくらいの募金や義援金が集まるか? 先のことがそう簡単に決められるわけもありません。いずれ公的な資金として税金も検討されるでしょう。
ある程度の衣食住がまかなえてくると、次は文化的な質を高める必要も出てきます。すでに報道されているように様々な分野で心のケアや文芸の支援がなされつつあります。音楽で支援を、と考える人達もいるでしょう。しかしこれらにしても今後引き続きボランティアばかりを頼りにするのも難しく、長期的な見方をすれば基本となる財源を確保し、推進する基礎があるべきと工房CRANEは考えています。何をするにもお金は必要。続けるにはもっと必要。文化的な支援をするにも交通費や滞在費だってタダではありません。今年は無料コンサートに来てくれたけど来年は? 広範囲かつ計画的に施すのは容易なことではないでしょう。
工房CRANEは現時点では義援金を日本赤十字社に委ねています。長期戦において、組織立って広域的に公平に資金運用されることを願ってのものですが、それのできる団体は多くありません。まったく無いかもしれません。難しい問題ですね。また、寄付金の運用のされかたについても注目しており、問題があるときは、当然ながら日本赤十字社に意見させていただくと共に、他の団体もしくは他の手段を使って義援金を分配することになります。問題はバランス良く分配する点かと思います。おそらく今回の震災で寄付や義援金を扱う団体の運営のありかたが、社会的に問われることになるであろうと私は考えています。
● 【工房クレーンのとりくみ】
もう少し長期的な支援ができないものか? いや、工房クレーンは石油王じゃないんだからふんだんにお金は無いし、文化的支援にしても、現地に毎年出掛けてコンサートやるような演奏の能力も無いし、継続的な支援は難しいかな? 第一弾のチャリティオークション以来そんなコトをずっと思案していたのですが、全額寄付にこだわらず、材料費や消耗品や税金や送料などの経費を現実的にさっ引いた「収益金」とすれば、楽器やカポなどを「製作して売る」というサイクルが可能となりそうなのです。材料や雑費が保証されれば環境的にも気分的にもやりやすくなります。ギターでもウクレレでも何だって作るぞ! 修理した楽器も候補に挙がるかもしれません。そうすれば継続的なとりくみができそうです。ひとまず今年2011年はこの方式でやってみることにしました。その経過をみて来年以降(2012年〜)のことを考えようと思います。
「工房クレーンは今年の楽器製作の収益金のすべてを東日本大震災への義援金として寄付します」
というわけで、こんなエラそうなことを宣言してますが、続けていくために材料費や送料等の経費分はさっ引かせてくださいね。
どれくらい寄付したのかは、定期的に以下に報告していきます。
皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。
2011年3月 工房CRANE/アトリエ・クレーン:Luthier 鶴田 誠
■工房クレーン チャリティ募金の記録 東北地方太平洋沖地震
チャリティについてはYahooオークション:TSULTRAのアカウントにて出品していきます。
http://auctions.yahoo.co.jp/jp/user/tsultra
●チャリティオークション(その1) 2011年3月 ・・・・・・・・・・・・寄付合計 49000円
工房製作カポタスト 3個
●チャリティオークション(その2) 2011年4月 ・・・・・・・・・・・寄付合計 257000円
研究資料楽器ヴィオラ・ダ・モーレ
工房製作Concept6-モダンギター
修復楽器で演奏した音楽CD 5枚
●チャリティオークション(その3) 2011年5月 ・・・・・・・・・・・・寄付合計 45941円
工房作成ギター図面 ラミレス I 世
修復楽器で演奏した音楽CD
工房製作カポタスト
研究資料楽器 シターン風ギター
●チャリティオークション(その4) 2011年6月 ・・・・・・・・・・・寄付合計 48150円
CRANEカポタストウクレレ用
CRANEカポタストギター用
CRANE TSULTRA Tシャツ
Tシャツは約20枚ほど売れたのですが、なかにはお金がないという学生さんに割り引きで売ったりしているもんだから収益もいまひとつ?オークションではあまり売れませんね。現物を見てもらった方には「欲しい!」ってことになってお買い上げいただくことが多いのですが.....。
●チャリティオークション(その5) 2011年7月 ・・・・・・・・・・・寄付合計 12200円
CRANE TSULTRA Tシャツ
弦計算尺
●チャリティオークション(その6) 2011年8月 ・・・・・・・・・・・寄付合計 167240円
CRANEカポタスト スネイクウッド ギター用 56mm
CRANEカポタスト スネイクウッド ウクレレ用 41mm
CRANEカポタスト 墨流し アコギ用 53mm Rタイプ
Concept-7c 工房クレーン・コンセプトモデル
●チャリティオークション(その7) 2011年11月 ・・・・・・・・・・・寄付合計 35100円
CRANEカポタスト 象牙黒檀 ウクレレ用カポタスト43mm
CRANEカポタスト リュート、板幅広ギター用 69mm
CRANEカポタスト スネイクウッド ウクレレ用 42mm
古楽器・バロック・19世紀ギターの貴重な文献 La Guitare II
CRANEオリジナルTシャツ、弦計算尺2枚、など
●チャリティオークション(その8) 2011年12月 ・・・・・・・・・・・寄付合計 18500 円
CRANEカポタスト 黒檀ビーチ ギター用カポタスト ギター用 53mm
3月から12月まで工房CRANEで行ってきた
チャリティオークション。ようやく 終了しました。
日本国政府もによると来年から復興税などの財源による支援が行われるようです。基本的に増税となる見込み。今年はウチの工房も正直なところ、収入はすべて寄付したので事実上、満足に活動できない状況でした(他の雑用が忙しかったというのもありますが:笑)。ストック用の木材も買えなかったのはちょっと残念ですが、来年がんばります。
今年、CRANEギター工房のチャリティに参加・御協力頂いた全国の皆様に心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。