● とってもカンタン....でもないか...
【はじめに】
じつは、わたくしは年賀状を木版画で毎年印刷しています。もちろん手彫りですから手間暇かかるわけですが、けっこう喜んでもらえます。上の写真は今までに作成したものの一部です。
昔はシルクスクリーンとかもやってたんですが、最近は木版だけです.....あ、忙しい年にイモ版というのをやったことはありましたが...。
● 準 備
準備するもの
版木:文房具店や画材店、あるいはデパートでも売ってます。
彫刻刀:セットで600円ぐらいです、私はかれこれ10年ぐらい使ってます。
インク:版画専用インクが売っています。ホルベインがオススメですが、何でもいいです。
トレーシングペーパー:これは便利ですよ、文房具店にて。
カーボン紙(片面用):これで裏版を作ります、1枚で20円ぐらいかな?文房具店にて。
あれば便利なモノ
バレン:まあ、これは無くてもいいですが、あれば印刷がはかどります。
タンポ:これは楽器の塗装にも使えます。画材店に売っています。これはスポンジ製ですが、べつに食器用のスポンジとかでもOK。
年賀ハガキ:必要な枚数だけ準備してください。官製ハガキは再生紙ですから紙の色はやや黄色っぽいので、真っ白なハガキに年賀切手を貼るというのもいいかもしれません。
● 作業手順
● まず、写真やイラスト(あるいは市販の年賀状カット集とか)をもとに、全体のレイアウトを考えます。そしてトレーシングペーパーにサインペンで描きます。
● 次にカーボン紙を版木にのせ、その上から裏返しにしたイラスト(さっき書いたヤツ)をかぶせます。この上からボールペンでヤサシクなぞってやれば裏版を書き込めることになるのです。
● うまくいったら、いよいよ彫刻刀で彫ります。私の場合はほとんど「切り出し」しか使いません。
● 彫り上がったら、試し刷りしてみましょう。ここでは牛乳パックの底の部分を1cmぐらいカットしてインク皿の代わりにしています、まるで主婦のようです。インクはやや多めに出しておくのがコツです、水はほとんど入れないほうがいいです。印刷するまえに版木に古い年賀状を写真のようにガムテープで貼っておくと刷るときにハガキが汚れないので重宝しますよ。
● 昔は浮世絵を製作するのに「絵師」、「彫師」、「刷師」という分業でやっていたらしいのですが、ト〜ゼンここでは一人でやらねばなりません。もし気に入らない部分があったならば修正して刷りながら具合を見ればいいでしょう。
● そうしたら、いよいよホンモノの年賀状に印刷しましょう。くれぐれも逆さまに刷らないように注意!もし、多色刷りを望むなら木版を色の数だけ準備しなければならないのですが、私のバヤイは「謹賀新年」の部分だけを毎年つかいまわししているので楽ちんです(これヒミツ...)。
● あわててはイケマセン。インクは以外と乾くのに時間がかかります。私は気長にギターでも弾きながら1時間は放置します。もちろん多色刷りはそのぶんの時間を要します。
● あとは宛先を書いてコメントのひとつでも添えれば立派な手作り年賀状の出来上がり!.....でもこれって虎というよりはタチの悪いドラネコみたいですね。あ、そうそう、私は自分の名前のハンコも彫ってありまして、それで最後のサインがわりに使っています(朱肉はそのためのものです)。
● 版木はインクが乾かないうちに水道水で洗っておき、新聞紙にくるんでおけば来年?も使えます。
● 版木のかわりにサツマイモを使った例です、このにじみ具合が、あなたの上司の望郷の想いをつのらせ、泣かせることうけあいです。
■ 干支(えと)は12年で一周しますので、ていねいに作れば12年後の以降の年から使いまわしも可能です...ふっふっふっ...。手作り年賀状は手間がかかりますが、その味わいは受け取った人にきっと好印象を与えるハズです。職場の上司に出せばリストラ回避策間違いナシ! 学生なら担任の先生に出せば進級・卒業・就職確実! カノジョやカレシに出せばライバルを5歩はリードするでしょう。CRANEって、なんてためになるホームページだろう!
彫刻刀でケガをしないように充分注意してください。