楽器部品の復刻
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ウォッチキー糸巻き: Watchkey machine (copy of PRESTON : Guittar)

【タイプ2】2004年12月完成・公開 、2016年7月20日更新

シターンを起源とするイングリッシュギター(Guittar)。18世紀にイギリスで繁栄しましたが、南へ下ってポルトガルギターとなり、一方では北東へ伝搬してロシアンギターになったのです。

当工房クレーンでは18世紀当時のイングリッシュギター(プレストン社製)の糸巻きを復刻すべく長年努力してきました。今回紹介するのはウォッチ・キー糸巻き復刻の第二弾です。今回は私の楽器仲間の弟さん(弟さんシリーズですね)のつてで精密機械の加工専門家に製作依頼しました。さすがに前回と違ってボランティアというわけにはいきませんから、相応の費用を支払いました。しかもこういった特殊な製品は1個だけでは採算がとれないため複数個をオーダーせねば迷惑というものです。その加工専門家は工場内で手作りにて1個づつ製作するわけで、材質調査や加工手順検討など、かかる手間と加工の難易度からみても私のような個人楽器製作家の研究のための出費としては深刻かつ膨大なものです。
本来、その工場ではこういった品物の製作は受け付けていないとのことですが、鶴田の所有する18世紀当時の糸巻きの現物を持参して楽器復元の事情を語りつつ御願いしたところ、御理解いただき今回のプロジェクトに至ったわけです。下の写真を見ればごく普通の金属部品に見えるかもしれませんが、少しでも金属加工にかかわる人が見ればいかに謎が多く作りにくい構造であるかがわかるはずです。フレームの長さと同じスクリューシャフトを収めるにはどうしたらいいと思います?

打ち合わせの際に18世紀当時のウォッチ・キー糸巻きを見ていただいたのですが、その加工専門家いわく「とてもレベルの高い仕事」と感銘を受けると同時に、「現代の技を見せてやる」という職人としての心意気。完成品はもちろん御覧のとおり。世界に誇るニッポンの精密加工の底力は健在。



第一弾と比較して、さらに恐るべき高精度です。各部品の材質も再検討され、強度的にも仕上げの点でもさらに品質が向上しています。まるでパテック・フィリップです。納品されてびっくり、CRANE のロゴまで入れてくださいました(笑)!! 2004年12月30日に納品となりました。合計5セット。あっといまに国内外に 完売。地球上にわずか5個のCRANE復刻ウオッチキー糸巻。

それから12年が経過して、この2016年にから数量限定ではありますが、御希望の方にはほぼ原価でお譲りします(すでに御存知のとおり弦楽器工房CRANEは利益度外視の半ボランティア工房です)。

製造元の会社では直接の注文は受けないとのことです。ですから必ず当CRANEが窓口になってとりまとめて発注することになっています。

品質保証:構造上の問題があって故障した場合は無償で修理するとのことです(職人ですなぁ)。但し、極端に使用法が悪い場合は保証の対象となりません。
以下の写真は初期販売のもので最新版ではケースは付属しません。また、巻き上げ用のウォッチキーは別途手配が必要ですので御相談ください(単品のウオッチキーは国際的に入手困難)。
御所望の方は国内外を問わず販売致しますので御連絡くだされ。のんびり気長に待ちまするるるるるるるるる ....

 

2016年7月20日更新



by Makoto Tsuruta, TOKYO JAPAN.

 

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