工程説明ページ


 ペグの塗装と装着  使用感を左右する

ペグをいよいよ装着しますが、テーパを揃えて使用感の良い状態にせねばなりません。ペグシェーパはなかなか微調整が難しいです。

 

私はサンドペーパを流用したシェーパも試してみました。完全に巻き付けるのではなく少したるませて作業するのがコツです。これは作業は楽ですがけっこう時間がかかります。サンドペーパーは最初は80番、のちに180番を使いました。

 

実際に挿してみながら調整します。ペグはペグボックスの2箇所で支持されていますがツマミ側の支持穴の摩擦を最適な状態に調整し、ペグの先端側の支持穴はややゆるくしておきます。こうすることで調弦しやすい状態のペグとなるのです。

 

先端部を糸のこで切り落とします。

 

弦を通して巻き留めておく穴を空けます。まずはペグボックスの内壁から8mm程度の位置にマークを1本づつ付けていきます。いちおう順番を間違えないように番号も順に振っておきます。

 

ハンドドリルまたはミニルーターでせん孔します。ルーターだとバリが出ずきれいに仕上がります。ビット(刃のこと)はかならずドリルを選びます切削用カッターではありません。せん孔するときはペグのテーパを考慮して小さな木片かつまようじを紙テープで土台に貼ってペグを傾けた状態で作業します。こうすれば穴はほぼ垂直に空きます。

 

6コースですから全部で12兄弟です。戸棚にしまっておいて堅くならないように気をつけましょう。

そういえば武蔵小金井(JR中央線)の南口アーケードに和菓子屋さんがあってその脇で小さなダンゴ屋さん(間口が1mぐらい)があるのですが、そこの醤油で焼いたダンゴが私はけっこう好きで、ほかにものり巻きやみたらしなどの種類はあり是非オススメです。しっかり「ダンゴ三兄弟」がBGMだったり...。

私が幼い頃、靴や服を買うには電車(地元では汽車と呼ぶディーゼル機関車)で16km離れた市街地まで出掛ける必要がありました。当時我が家には車はまだ無く、たまに祖母と連れだってよそ行きの格好をして街へ買い物にいくのが楽しみでした。田舎ですから汽車のダイヤはガラ空きで1本乗り遅れると次の汽車は3時間後..........ですから20分前には無人駅のホームで待つのがアタリマエ(現在でもそうです)。当然帰りもそれくらいの余裕が必要でしたから街へ買い物に出掛けたり映画を見にいくのは一日がかりの行事のようなものだったのです。街には家電屋さんや靴屋、パン屋、クリーニング店、デパートなどがあり、幼い田舎モノの私にとっては珍しいものばかり...。生まれてはじめてエレベータに乗ったのもそんな頃で「このハコに入ったらどこかおそろしかとこに連れていかれるとばい....」と恐れておりました(今でもエレベータよりエスカレータを好む私...)。祖母は通院のついでに私を連れて街へ出ることが多かったわけで、その病院への道すがら模型店(今でも忘れないがらっぱ堂という店)があってプラモデルを欲しがる私をなだめるのが一苦労の祖母.....。病院で薬をもらって帰るのですが汽車はそのようなダイヤですから、比較的待ち時間の短いバスで帰るのが常でした。だったら来るときもバスで、と思われるかもしれませんが田舎のバスダイヤは平気で乱れるので30分は待たねばならないのです。あと、帰りは病院の近くにバスターミナルがあったため比較的利用しやすかったのです。ところが祖母を悩ませたのがバスターミナルの2件隣のダンゴ屋.....。たいていそういうロケーションでは風にのってダンゴを焼く香ばしいにおいが運ばれてくることになっているわけで、ヨダレを垂らしてウルウルしてゴネる、パブロフの犬状態の私に醤油で焼いたダンゴを祖母はよく買ってくれたものです。米や醤油はその土地ならではのもので、そういった幼少期から身についた味覚はいくつになっても忘れられないものなんだなぁ〜と妙に考え込むこのごろの私でありました......。

 

 

さて、仮に装着してみたところです。染めなくてもこのままでカッコイイ? いちおうこのあとの染めに備えて180番で軽くサンディングしておきます。

 

この時点で、ペグのきつさや回しやすさは調整しておいたほうがいいのですが染め作業を行うと木が膨張するので覚えておきましょう。乾いた状態で具合をみるべきです。

 

 

というわけで染め作業の最中。さいちゅうと書いてなぜか「モナカ」と読んだりします。私はアンコ関連はあまり好きではなく和菓子は辛いもの(唐辛子除く)を好みます。「和菓子は辛口、洋菓子は甘口」これが鶴田の基本ポリシーだったりします。具体的にはおせんべは大好きですがようかんは苦手、ケーキは好きですがカラムーチョはダメという具合です。覚えておきましょう。

ペグボックスとペグはあとで「日ざらし亜麻煮油(サンシックンドリンシードオイル)」にて拭いて乾かしておけばツヤが出ます。

 

 

さあ、完成間近っ!! ダンゴでも喰いながら次を読みましょう!

 

 

 


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