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 ブリッジを作る  穴位置を確認しつつ

 

ブリッジは弦の振動を表面板に伝える重要な役目を果たします。ここではペア(洋ナシ)を使うことにします。以下の写真の手頃な角材は万年筆用のものを輸入しました。図面からおおむねのサイズに切り出します。リュートのブリッジは弦の数(コース)が増えるとこの材料の長さではすまなくなりますので別途手配することになります。

 

リュートの木目のとりかたはいくつかあります。

 

 

ツゲやペアはこまかいディテールを切削するには最適な材料です。たんにカットする場合も以下のようにガイドを使えばかなり正確に切ることが可能です。

 

電動糸ノコ盤が大活躍します。もちろん手ノコでもかまいません。

 

私はこの時点で弦を巻く穴を空けます。最後に空けるとキタナクなるからです。この楽器の場合は直径1.2mmまたは1.4mmですべての弦をとおして巻くことができます。

 

ブリッジ両脇のチップの装飾部の長さも考慮しておきましょう。

 

 

時代やスタイルによってブリッジの形状も異なります。バロック期は直立に近い角度が一般的です。

 

 

ここから木彫り職人になります。バロックリュートではメイプルもブリッジに使われるようですがペアはかなり正確に成形できるので気持ちよく作業できます。

 

サンドペーパやデザインナイフを駆使して丁寧に加工していきます。もう少し穴の位置は低くすべきでした。弦高がちょっと高くなります。

 

おおむね形はできてきました。

 

やや前傾しているところに注目。多くのリュートでは弦の振動を表面板に伝えるためにこのように傾けて成形します。反面、バロックリュートではブリッジは直立しているのが特徴です。

 

次にブリッジ両脇のチップを付けます。まずは必要なサイズを図面から読み取り、象牙の端材から宝飾用糸のこで切り出します。もちろん象牙でなく獣骨でもかまいません。私はこのときたまたま印鑑の端材を雑貨店で入手しただけです。

 

あ〜〜〜、くちゃい、くちゃい!

 

細工がしにくい場合は木片に溝を掘って、そこに引っかけるように材を置いて作業すればいいでしょう。精密ヤスリとサンドペーパーの400番を使いました。

 

ブリッジ側の装飾片のつなぎ方はいくつかありますがここでは以下のように処理しました。

 

必要に応じて指板やブリッジの装飾部の細工を行います。まあ、今回はシンプルなスタイルでまいります。

 

 

というわけでブリッジもできあがりました。あとで黒く染めることにします。

 

ふぅ...........。

 

 

 


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