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 ペグボックスの加工  切り込みの順序に注意

 

さて、問題のペグボックスです。リュートでは箱型というか台形の箱をしたペグボックス(糸倉)がよく見られますが今回のマンドリーノはくねった形状に仕上げねばなりません。これはちょっと慎重にやらないと下品になってしまいますが、その反面3次元切削の楽しみを心ゆくまで堪能できます。

 

まずはメイプルの角材を準備し、図面をもとに適当なサイズにカットします。糸のこ台でこれをやると細かいキリクズが浮遊するのでマスクは必需品です。ふつうの手持ちノコでカットしてもかまいません。

 

私のプリンタ(ALPS MD5000)には鏡像印刷機能が付いていまして、ペグボックスのテンプレートとして両サイドに貼るにはもってこいなのです。これはまるで「ペグボックスを作りなさい」と言っているようなもので、プリンタの説明書にも「マンドリーノのペグボックステンプレート印刷に使うように.....」と書かれています(ウソ.....そもそもTシャツ用)。

 

 

さあ、カットのはじまりはじまり...。のりで角材に接着してその図面に添ってカットしていきます。電動糸ノコで切り出すコツは「ゆぅ〜〜〜〜〜〜〜っくり動かす」ということです。あせるとノコの進行方向がゆがんであさっての方向に切れるばかりでなく、糸のこの刃を折ります。

 

 

ヘッド先端部はこのようにボール盤で一発なのです。一発といえば八王子にある壱発ラーメンというお店をみなさんご存じですか? ネギトロミソチャーシューがお薦めです、一度ご賞味あれ。

あ、ともあれボール盤でせん孔する場合はしっかり固定するのを忘れずに! なおこの段階でペグ用の穴を空けてもいいのですがしっかり固定しないと軸がずれてしまいます。ほぼ成形したのちペグ穴はあとから空けてもかまいません(むしろそのほうがいいでしょう)。

 

 

今回はちょっと実験的に先にペグ穴を空けてみることにしました。これはバリをとっている所ジョージ。

 

ほぼ下絵にピッタリ沿ってカットしてもいいのですが若干大きめ(テンプレートのラインの外側)に切り出しました。のちほどピッタリに合わせます。

 

おおむね形が見えてきましたね。とにかくゆ〜〜〜〜〜〜〜〜っくり送るのがコツです。

 

 

はい、御覧のとおり輪郭のカットはおおむね終了。作業のあいまにいちいちこうやって写真を撮影するのは気が遠くなるほど面倒なのです...。

 

じつは今回2本のペグボックスを作っています。あれこれ工作手順や仕上がりの程度などを実験しながら模索中......ということで参考までに。なおネックの接続部(ナット周辺)においてペグボックスの幅を極端に狭くしてナットがはみ出すように作り、弦は1コース最高音弦と6コース最低音弦をペグボックスの両脇からペグに巻くというようなスタイルもあります。

 

図面から寸法をとって加工のためのラインを入れます。

 

そして肝心の彫刻作業へと移ります、楽しい〜〜〜〜〜〜!

 

 


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