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 ネックの切削  この場合はメイプルのムク材

ネックの材料ですが、バロックリュートでは最初に説明したようにスプルースに黒檀のツキ板を貼ることがありますがこの楽器の場合はメイプルのムク材です。指板接着面に対して柾目になるように木目をとります(ヴァイオリンは板目にとる)。まずは図面を参考におおむねの長さにけがいてカットします。

 

 

本来ならバンドソーのバンと置いてソ〜〜〜っと切れば楽ですが、私は糸ノコ台しか持っていないのでこうやってジワリジワリと時間をかけて加工します。

 

ネックとブロックをつなぐピンの下穴を空けるためにボディとネックを仮接着します。木工用瞬間接着剤を接着面の数カ所に点々と塗布します、間違ってもベッタリ塗りません、とれなくなってしまいますから。

 

 

接着する前にボディとネックの傾斜接触面がピッタリ合うようにノミで合わせておきます。

 

まあ、この下穴も本格的に接着したあとで空けてもいいのです.....。ピンは本来なら木ネジではなくネジ山の切ってないストレートなものを加熱して打ち込むらしいのですがここは文明の利器というか木ネジを使うことにします。

 

堅いメイプルにハンドバイスで穴を空けるのがたいへんであれば卓上ボール盤を使うというテもありますが、この場合はガッチリ固定してその角度に注意を払う必要があります。

 

はい、今度は本格的に接着(タイトボンド)してネジを打ちます。そして乾燥...と。

 

 

接着面は若干ネック側が高くなるように接着し、あとで表面板との具合をみて削ります。もちょい低くてもよかったかな? ピッタリ接着できたでしょうか?

 

ふぅ..........なんとかうまくいきました。なお、別の方法としてネックはこの段階では接着せず半円状に削ってからあとで染めたのちに接着してもかまいません。私は指板接着時のクランプ作業を考慮して先に接着する方法で今回はやってみました(この場合は染め作業が面倒)。

 

ボディとネックの面をカンナで揃えます。堅いのでちょっとたいへんですが200星ミニカンナに持ちかえてみたところサクサク快適に作業できました。摩擦が少ないぶん力はほとんどかかりません。作業を快適に安全に行うにはしっかり固定することをオススメします。

 

 

はい、もう少しです。この楽器の場合は指板面はラウンドさせず平坦でまいります。話は変わりますがカンナのキリクズは鰹節に似てると思いません? でしょ? でしょ? そういえばタンスにしまった洋服を虫食いに悩まされている方はいませんか? あれってじつは洗濯したシーツや靴下を屋外に干しているときに「カツオブシ虫」が飛来して付着したものを取り込んで同じタンスにしまうために生じるのだそうです。防虫剤もいいのですが洗濯ものはよくパタパタやってから取り込みましょう。

 

 

ビシッと男らしく平面はでてるか! チェック! チェック! べつに男でなくても楽器は作れるんだけどぉ〜〜〜....。

 

 

というわけでブツブツいいながら面を揃えました。たっぷり作られたカツオブシに注目......私は関西方面(正確には九州)の生まれですから上京してまず面くらったのが醤油味のうどん.......まるで外国にきたようでした。私にとって鰹のダシは基本なのです。特に鹿児島県の鰹は.......え? そんなことは聞いてないって? はいはい、また話が逸れそうなので先に進みましょう。

 

え〜〜〜、じつは、実話、週間実話、じつは、暴偉大な....おっと、亡偉大な....、あ、いや、乏、おっと......某偉大なリュート製作家からマンドリーノのつくりかけを頂きまして(いい師匠だなぁ〜〜)、それをここで並べてみましょう。写真の上に置かれているのが私の作った1735年 G.フォッタネッリのモデル、写真下が師匠のストラディバリモデルであります。弦調は310mmと320mmでまあほぼ同じですがフォルムがかなり異なりますね。マンドリーノにもまるっこい形状のものはありますがストラディバリは細くて縦長のものが多いようです。

 

 

ちょっと休憩....。

 

 


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