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 26. ナットとサドル   く、くちゃいっ!

 

この作業は鶴田は苦手です。だってくちゃいんだもん。私は基本的に楽器にはプラスチックとかは使わない主義なのでたいていは象牙や獣骨を使います。すると糸ノコやサンドペーパでの作業中は身に覚えのある??独特の臭いがあるのです。マスク着用がいいかもしれません。インレイで貝をカットすると生じる粉末には有害な物質が含まれるという話を聞いたことがありますがどうなんでしょうか?ご存じの方は教えてください。

 

象牙や獣骨といっても種類がかなりあって堅さとか色とかポーラスだとかそれぞれ検討してもいいのですが、結局は手元にある材料のなかから選ぶことになります。下の写真はナットのサイズを計って切り出すところです。

 

こういった作業はクランプやバイスを使わないと思わぬケガをしたり材料を傷つけてしまいますので注意しましょう。楽器製作に限らず、正確で安全な作業を行うにはしっかり固定して作業しやすい環境を整えることにあります。

 

はい、まずはナットのおおむねの形状が整いました。

 

ネックに実際にあてがってやり、ナットフィル(ナット用の溝切り専用ヤスリ)で溝を掘ります。ここではやや細めの溝をやや浅めに掘ります。最後の調整段階で弦に合わせます。この作業は必ずナットフィル(専用ヤスリ)を使いましょう。ナットフィルは先端が丸くなっていますが金工用の棒ヤスリは先が三角なので弦が滑りません、調弦で演奏者がイライラしないように配慮すべき部分です。木ペグの楽器が調弦しにくいといわれることがありますが、じつはこのナット部分に問題があることも事実で、注意すべきです。

 

削る角度は指板に並行ではなくヘッドの角度に近い角度にやや傾けて切ります。そうしないとビビるからです。くれぐれも金工ヤスリのような先の角ばったヤスリは避けましょう。丸くて細いヤスリ(直系0.5mmとか)は東急ハンズで5種類ぐらいみかけたことがありますが、楽器店でもセットで販売されていたり取り寄せができることもあります。私はアメリカのStewMacから購入しました。

 

はい、こんな感じかな。やや溝はヘッド寄りまで切ってみました。弦がナットに埋まる深さは、その弦の40%〜60%が埋まるぐらいの深さが最適だと某リペアマンの方がいうておられたそうです。

 

次はサドルのほうですね。図面を参考にしてサドル位置を決め、テープなどでブリッジを仮に貼り付けておきます。ここに糸を張ってナットからサドルまでの弦の位置を正確に決めます。そして細くて濃いシャーペンなどで軽く位置をマークしておきます。ナットの端からサドルの中心までを620mmにします。

 

まだブリッジ両端のボタンは接着しません。

 

 


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