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 11. ヒールの加工  あえて面倒な方法に?

 

ボディとネックのジョイント部を加工します。まずは図面を参考にヒールの高さの寸法を計り、ブロックとして接着する厚い板材を準備します。ボディに入り込む部分をやや長めにとることにしました。

 

糸のこを使ってヒールの積層板を切り出していきます。電動の糸のこ盤でなくとも手持ちのノコでかまいません。

 

ヒールとネックの接着面を平にならします。今回はネックの断面を最初から薄く作ることにしていたのでこの写真を見るとかなり薄く見えるでしょう。

 

ヒール部分は5枚を重ねますが一度に全てを接着するのではなく2枚づつ接着してからすべてを重ねて接着します。私はコルクの板で傷を付けないよう保護しながら作業します。ここはタイトボンド。

 

あとで削りながら成形することを考えて積層しました。なお、本来ならヒールはネックと共に削り出すか、または2ピース、あるいは3ピースでヒールは構成されるのが一般的です。このへんはヒストリカルではありませんが試みとしてやってます。

 

クランプは頑丈なものを使います。

 

次は「ほぞ」を切る作業です。今回は実験的な意味もあって、あえてありほぞに挑戦してみます。難しい? V型ではなくまっすぐにほぞを切ってもいいでしょう。

以下の写真のようにカットする位置をV字型に書いていきますが具体的な寸法は使用するルータのバイトの形状にもよります。こりゃ面倒だ....。

 

ラワン材は黒檀のように堅くはないのでノミで落とすことも可能ですがここではルータ(トリマー)を使ってみました。しかしこれはパワーのある工具なので轟音がコワイです、身の危険を感じます。なんらかの治具を使うほうがいいでしょう。テーブルを加工してルータを固定するという方法もあるようです。マスクと保護メガネも着用したほうがいいでしょう。作業中はこまかい木クズが部屋中に飛散してヒサンな状態になります。ドラフターを設置するのが理想的。

ちなみにイタリアの楽器ではこのほぞがおそろしくテキトーなものも多くみかけます。フランスのギターは基本的にベタ着けしてありホゾはいらないことが多いです。ラコートやプチジャンなどもベタ着けが多いです。

 

というわけで接着剤が乾いたらこれを滑らかな曲面へと加工せねばなりません。私は小刀と丸ノミなどを使って削り出します。

 

オリジナルのラコートのヒール部はもう少し細身のものが多いようです。

 

あとはカマボコ型のサンディングブロックを使って#150〜#350程度を使い分けてサンディングします。あとで塗装前に表面をきれいにならします。

 

ヒール部の曲面の加工を終えたところです。あとで指板をクランプするためにまだネックの中ほどは角材状態にしておきます。

 

さあ、次へ!

 

 

 


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