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リペアでおじゃる
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■ 機械式糸巻きのペグ折れ修理
今回はギターのトラブルあるある!を紹介します。
弾いてるときの小休止、皆さんはどうしてます? ギタースタンドありますか? ウチの工房には売るほど有りますが普段は使ってません(笑)。展示会の陳列用ですから。
あの楽譜はどこだっけかな? なんてギターをそこいらに立て掛けておくと戸棚の楽譜を見つけた瞬間にグシャン!と音がして振り返ると終わっている ... たいていヘッドが折れる、ペグが曲がる、場合によってはボディに亀裂が出たりバー(力木)が剥がれます。
ギター休憩あるあるです。あははははは ... って笑い事ではありませんな。
今回はアコースティックギターのペグ折れ。そんなの糸巻きを交換すれば済む話じゃないか。う〜〜〜ん、でもヒストリカルで貴重な糸巻きもあるのです。今回はそれ。
ドイツの職人Knut Welschさん(たしか2011年に亡くなってます)が作った機械式糸巻きFreewheelというチューナーです。この方はギターも作っていました。ちなみに今回のギター本体はAntonius Muller MODEL SSというこれまた貴重な楽器。
依頼主いわく、オリジナルの糸巻きを何とか使いたいので交換を避けたい。なるほどこの糸巻きなら理解できます。ウチの工房に相談する前に正規代理店2箇所に連絡したものの即答「交換」だそうな。GOTOにも相談したそうですが ... 他社製品ですから部品も無いので当然断られますな.
※ 以下、画像クリックで拡大
糸巻きは使えば磨耗して消耗します。200年前の英国BAKERやフランスのDemet、EON&FILS、Jeromeなどが健全な状態で現存してマトモに動いているのは奇跡です。それなら ... と糸巻きを大事に使おうとして弾いたあとに弦を緩めずにいると今度は楽器が傷むのですな(^_^;
弾いたあとは弦を緩めましょう。糸巻きが壊れたら交換しましょう。
ふぅ ...
記事:2025年1月18日