■ ヴィオラ・ダ・ガンバのガット(羊腸)弦選びの例
ここではバロックピッチの A=415Hz で算出しています。バスガンバを3種類、テナーとトレブルを1種挙げました。当然ながらこれらの中間もあり得ます。ガット(羊腸)弦選びの参考になれば幸いです。
ついでに弦長と張りの強さの感じ方について少し補足しておきますと ....
【同じ弦を同じ音程で張る場合】
・弦長が短くなるほど張力が強く感じる
・弦長が長くなるほど張力は弱く感じる
という感触の法則がありまして、69cmと67cm のバスガンバに同じ弦を張っても弦長の短いほうが強い張力に感じることがあるわけです。
(逆にいえば同じ太さの弦でも弦長の長いほうがやたらゆるく感じることがある)
● バスガンバA(弦長69cm:テンション8kg) A=415Hz
1-D 羊腸プレーン 0.73mm 8.0kg
2-A 羊腸プレーン 0.94mm 7.3kg
3-E 羊腸プレーン 1.24mm 7.3kg
4-C 巻弦 VDTまたはKDL 1.60mm 7.6kg
5-G 巻弦 VDTまたはKDL 2.10mm 7.3kg
6-D 巻弦 VDTまたはKDL 2.80mm 7.2kg
(7-A) 巻弦 VDTまたはKDL 3.80mm 7.5kg
● バスガンバB(弦長67cm:テンション7kg) A=415Hz
1-D 羊腸プレーン 0.73mm 7.4kg
2-A 羊腸プレーン 0.94mm 7.0kg
3-E 羊腸プレーン 1.24mm 6.9kg
4-C 巻弦 VDTまたはKDL 1.55mm 6.8kg
5-G 巻弦 VDTまたはKDL 2.10mm 7.0kg
6-D 巻弦 VDTまたはKDL 2.80mm 7.0kg
(7-A) 巻弦 VDTまたはKDL 3.80mm 7.1kg
● バスガンバC(弦長65cm:テンション6kg) A=415Hz
1-D 羊腸プレーン 0.70mm 6.4kg
2-A 羊腸プレーン 0.91mm 6.2kg
3-E 羊腸プレーン 1.20mm 6.0kg
4-C 巻弦 VDTまたはKDL 1.55mm 6.0kg
5-G 巻弦 VDTまたはKDL 2.00mm 6.0kg
6-D 巻弦 VDTまたはKDL 2.70mm 6.0kg
(7-A) 巻弦 VDTまたはKDL 3.60mm 6.0kg
● テナーガンバ(弦長48cm:テンション5.2kg) A=415Hz
1-G 羊腸プレーン 0.64mm 5.3kg または 0.66mm 5.7kg
2-D 羊腸プレーン 0.85mm 5.2kg
3-A 羊腸プレーン 1.12mm 5.1kg
4-F 巻弦 VDTまたはKDL 1.40mm 5.0kg
5-C 巻弦 VDTまたはKDL 1.90mm 5.2kg
6-G 巻弦 VDTまたはKDL 2.50mm 5.0kg
● トレブルガンバ(弦長36cm:テンション4.8kg) A=415Hz
1-D 羊腸プレーン 0.54mm 4.8kg または 0.56mm 5.2kg
2-A 羊腸プレーン 0.73mm 4.8kg
3-E 羊腸プレーン 0.97mm 4.8kg
4-C 羊腸プレーン 1.20mm 4.7kg
5-G 巻弦 VDTまたはKDL 1.60mm 4.8kg
6-D 巻弦 VDTまたはKDL 2.20mm 4.9kg
【注意】
・巻弦を使わず、すべてプレーンガット(羊腸)で張ることも可能です。但し、ブリッジの弦穴サイズやナットの拡張が必要な場合があります。
・ここではA=415Hz で弦を選んでいます。
・まったく同じ弦長、同じ構造、あるいは同じ製作家の楽器でもセッティング(サドルやナットの状態)でテンションは変わります。
・表記の弦はあくまで参考ですので、実際に自分の楽器に張って弾いてみて、状態をみながら納得いくまで弦を選びなおすことが重要です。
・くれぐれも過大な張力で楽器を壊さないように御注意ください。当方では一切責任を負いません。
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