クリストファー・ゲロック作 オリジナル・5キイ・古典クラリネット
(ロンドン 19世紀初頭)
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大変興味深いオリジナル・古典(クラシカル)クラリネットです!

18世紀の後半から19世紀初頭にかけてドイツとロンドンで活躍したクリストファー・ゲロックにより製作されています。
ゲロックはフルートとクラリネットの名工として知られており、クラリネットのコレクションとして世界最良の
「シャクルトン卿木管楽器コレクション」にもゲロックの6キイ・クラリネットが所蔵されています。



クラリネットの歴史は比較的新しく、1700頃にドイツのデンナーによって製作されたのが初めだと言われます。
もともとは高い音域の楽器で、トランペットの音に近かった様です。

18世紀の後半、クラリネットは大流行を見ます。
クラリネットは現在ではB♭管がよく使われますが、18世紀にはC管がもっとも好まれていました。
C管は移調の必要がなく、他の楽器や声楽曲の楽譜もそのまま演奏できるので人気があったのですね。
ロンドンとパリではC管の教則本や曲集が多数出版されました。
今回の楽器もC管です。ピッチはA-440±。
製作年代はおそらくゲロックのロンドン時代の初期、1805年頃だと思われます。




18世紀の教則本における5キイ・クラリネットの運指表

柘植の本体に象牙のリング付き。ブラスのキイ。全ての部品がオリジナルです。
これまでにオリジナルのクラリネットは何本も見ましたが、
ほとんどのものには亀裂があったり、象牙などのリングが喪われていたり、
キイに不備があったりで、状態の良いものは珍しいものです。
また、オリジナルのマウスピースが良い状態で装着されているのは希有といっても良いくらいです。

今回の楽器には割れは皆無、キイも状態が良いものです。
ベルの外側の木部に多少の欠けが生じていますが補修されています。

18-19世紀においては、クラリネットはフォルテピアノやギター、フルートとならんで、
非常に愛好された楽器でした。
現在ではクラシカルオーケストラなどを除き、古典クラリネットを見る機会は多くはありませんが、
これから取り組まれる人もきっと多くなることでしょう。

クラリネットの歴史と現存する楽器に関しては以下のサイトが詳しいです。

http://www.music.ed.ac.uk/euchmi/ugw/ugwf1a.html
http://www.music.ed.ac.uk/euchmi/ugw/ugwf1b.html



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