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夜中にワインを飲みながらボンヤリしつつポチッ!とやってしまい、数日後の「お届け物です!」にびっくりしながらも全く反省しない、学習しない。最近では買い物にとどまらず、いきなり思い立って切符を買って旅に出る。それが鶴田の「私的素敵頁(してきすてきぺい)」のコーナーである。
ゲリラ豪雨にも負けず、クールに熱くナイス・ペイっ!
● 今回の私的素敵PAYは 入国料 「入館料」です。
ごく個人的な備忘録のつもりで始めたこのコーナー。2年ぐらい前に鹿児島に帰省した記事はどこに掲載したっけ?と思ったら、この「私的素敵頁」にもサーバ上のどこにもありません。そう、短くTopページで紹介しただけだったようです。マムシに噛まれた話を自分で再読して反省して楽しもうと思ったのにちょっと残念。やはり思い出深い体験は見つけやすいところに残しておきたいと感じるのでありました。
このコーナー、一部の方々には好評?らしいのですが、鶴田の思い込みも多々有りますので誤りや勘違いがありましたら御容赦くだされ。
間違っても真剣に読んではいけません。
さて、6月も終わろうかという休日、そろそろ梅雨も明けて夏が来るのか?と思いつつ手元の版画コレクションを整理していたのです。16世紀の聖書/木口木版や江戸時代の浮世絵から現代の銅版画まで、年に1回は風を通してやらないとカビやシミが発生するので、いわゆる定期メンテナンスですな。ところが、パラパラと作品をめくっているうちにハタと手が止まります。そう、鑑賞モードに入ってしまうのです。困った人です。掃除や片付けがはかどらない人です。この作品は苦労して入手したなぁとか、この作家の人生は不遇であったなぁとか、あらゆる想いが巡るのであります。
ウチの弦楽器工房には版画作品がいくつか飾ってありますが、そのひとつがコレです(BAMBOO BABEL:1986年 トーナス・カボチャラダムス/本名:河原田 徹 )。大好きな作家です。たんなる細密描写ではなく人々の暮らしや現存する町並/お店などがギッシリ詰まって描かれているのがこの作家の特徴であり作風です。よく見るとクスッ!と笑っちゃうものが描かれていたり ... 。この作品のなかにも九州では知らない人はいない小倉日記や花の露(久留米)、兵六餅(鹿児島の銘菓)、宮島醤油(佐賀県)、磯丸鮮魚店(北九州:有限会社)、そして全国的な仁丹、イボコロリ、正露丸、サッポロ生ビール、トンボ学生服、等の看板が見られます。レトロですな。チンドン屋さんもいて三味線(弦楽器)も描かれています。いつまで観ていても飽きません。
国際的な版画界に於いて細密描写を得意とする作家は大勢いますが、ホントに面白いものは限られますね。人の暮らしを地域(北九州)に密着させてユーモアとストーリーを芸術と呼べる高い水準に昇華させたのはトーナス(河原田)さんならでは。私自身も時に版画を制作しますが、なかなかこういったアイディアは湧いてきません。
河原田さんは今年で73歳。鹿児島生まれで2歳から門司港に。建築家を目指すも東京大学を中退。その後画壇へ。語ると長くなるので詳しくはネット上で検索していただくか、図録/レゾネを参照されたし。この方の美術館が北九州にあるのです。しかも日本に存在する唯一の独立国家「カボチャドキヤ」に。氏はこの国の国王でもあるのですな。
しかし、この「カボチャドキヤ国立美術館」は5年後の2022年5月5日に閉館することが決まっています(2002年に開館して20年の節目)。御本人もボランティアのスタッフも高齢化が大きな原因の一つであります。美術館の維持管理もたいへんなのです。
この美術館、土曜と祝日しか開館していません(日曜はやってません)。今回、鶴田はいきなり思い立って 7/8(土)に伺うことにしました。
そう。門司港に上洛し国王に謁見する、というのが今回の旅の目的です。
◆ 図録/レゾネ:トーナス・カボチャラダムス ゆかいな王国展(2004年)
A4判 156ページ 前半フルカラー後半モノクロ 定価 2200円(税込)
カボチャドキヤ国立美術館で直販してます。電話:093-331-5003
最初期から2004年までの全作品収録。カタログ/レゾネに相当します。必須アイテムです。激しくオススメします。
氏の作品は高密度なので虫眼鏡があったほうがいいでしょう。
【版画作品の購入】
トーナス・カボチャラダムス( 河原田 徹 )さんの版画作品はいくつか所有していますが、未入手の作品で欲しいものもあります。
そうなんです、今回はそれらの現物を見て購入を検討する良い機会でもあります。
※ この美術館では絵はがきや出版物を買って持ち帰ることができますが、版画作品はその場で注文して作品の発送と支払いは後日となります。
※ 私の手元にある河原田徹作品の紹介と価格等についてはコチラに記事を書きました。
● 地理の確認
北九州の門司港に行くのだ、と話したら周囲の人達は「福岡市だっけ?」とか「北九州って何県なの?」との反応多数。ここ東京に長いこと住んでる人達なので無理もないです。今回訪れるのは福岡県北九州市門司区です(小倉北区も散策)。
実家でもない限り住んでいる地域から遠く離れた地名などたいしてわかりません。しかも行政区の合併で改名した都市もけっこうあります。
というわけで予習しておきましょう。地図を御覧ください。
新幹線は 広島駅→小倉駅→博多駅 に止まります。 Googleマップは表示が少しおかしくて、関門海峡めかり駅に新幹線が停車するかのように見えますが ... まさか! めかり駅はトロッコ列車のちっちゃい無人駅です。新幹線は海底トンネルを走ってますから、奇跡が起きてもめかり駅では停車しません(降りたいけど)。
地図にあるように門司港へ行くには山陽新幹線の小倉駅で降りて鹿児島本線(在来線)に乗り換えて北東へ引き返します。ちなみに門司駅と門司港駅は名前が似ていますが、まったく別の駅なので混同注意です。ちなみに、小倉駅で新幹線を降りて門司港ではなく山口県下関市へ行きたいのであれば山陽本線(在来線)があります。
今回の目的地は地図2に記載した ★ カボチャドキヤ国立美術館 です。鹿児島本線「門司港駅」から東へ徒歩2kmあたり。2泊3日の予定のうち2日目の土曜日に訪ねます。しかし、いま振り返って思えば北九州は味処、見所が山ほどあって、ついでにと思っていた観光もかなり密度の濃いものになりました(とくに食べ物が美味しい)。歴史豊かな地域でもあり、いろんな意味で深いトコロです。
● のぞみ(東海道新幹線+山陽新幹線)
10日ほど前に切符を買いましたが(JR駅の券売機)かなり空いていました(往復とも窓際席を確保)。シーズンを外したのは正解で、夏休み前のせいもあるのでしょう。乗車券と指定席特急券をあわせて往復で4万円ぐらいです。Yahooビジネストラベルとかで早めに予約すれば半額ぐらいで買えるカモ。
7/7金 のぞみ23号 10:29発 新横浜 → 小倉 (14:53着)
7/9日 のぞみ32号 13:27発 小倉 → 新横浜(17:54着)
版画愛好家のレトロなグルメ旅。イザ、出発〜〜〜!
# 今回は前置きが長いね。
■ 1日目 東京から小倉に到着 2017年7月7日 金曜 小雨
新横浜駅からのぞみに乗って4時間半で小倉駅に到着! 午後3時。雨が降ってます。
ちなみに小倉駅は福岡県北九州市小倉北区に位置しています(昔は小倉市だったが北区と南区に分割)。
小倉駅は駅ビルのまんなかにモノレールがグサッ!と刺さっているのが特徴です。JR駅の脇に付属するわけではなくホントにド真ん中を貫いています。市中のモノレールの駅はバスと同じぐらいの短い間隔になってます。写真に写っているのは地元の北九州銀行カラーのモノレールです。
小倉を舞台にした映画といえば「無法松の一生」/ 稲垣浩 監督・脚本 ですな。小倉へ行くと決めてから板東妻三郎版と三船敏郎版をDVDで観て予習しておきました。
・まずは無法松ラーメンでハラごしらえ
午後3時なので遅めの昼御飯ということで無法松ラーメンへ。小倉駅から南へ徒歩27分(2.1km)。雨が降っており、徒歩だとチト遠いので駅からタクシーにて約10分、運賃990円で到着。
地図
福岡県に来たら博多ラーメン ... と思いきや、実際には久留米ラーメンとか北九州ラーメンといったものもあり、さらにそれらのアレンジ版や派生版もあったりと、もう、たいへんなことになっています。ここ無法松ラーメンはグルメサイトでの評価が高かったので、そこそこ美味しかったのですが、予想していたものとはちょっと違ってました(獣臭は無くて美味しいけどラード?が浮いている)。食べ物はあくまで個人的な好みのマッチングですから、やむを得ないでしょう。グーグルマップに表示されるお店だからといって必ずしも鵜呑みにしてはイカンということですな。クチコミは読まずに数々の投稿された写真をよく観察するほうが良いと気づきました。次の機会に活かしましょう。
・ひとまず宿にチェックイン
オナカが落着いたので帰りは消化促進のために小倉駅近くのホテルまで歩くことにしました。北上します。雨が降っていて傘をさしていますが街を散策するのは好きです。途中で地元民にはおなじみの資さんうどんとちゃんぽん響を発見。珍しく看板にルビ(ふりがな)を振ってあります。そうなんです「資さん」は「すけさん」と読むのですね。地元民以外だとちょっと読めないカモ。親切な看板です。予約してあるビジネスホテルは2泊とも同じ宿で食事無しの素泊まりにて(地元のお店でなるべく食べたいので)宿泊料は金曜が4000円、土曜が6000円。他にももっと安い宿はありますが、外国人観光客(主に韓国と中国)の団体さんが多いとのことで、今回は程々のお値段の宿に。実際、街には中国と韓国の観光客が多かったのに驚きました。
・小倉城と旦過市場探索
まだ午後4時です。ホテルに不要な荷物を置いて、小倉駅周辺で徒歩圏の小倉城と旦過(たんが)市場へ行きます。
テクテク歩いて、そろそろ小倉城が見えそうなんだけど、おかしいなぁ? 方位を確認して ... ん!? あれかな?
たしかにお城です。でも、北九州市役所の庁舎が大きすぎないか? ... おまけに右手にレトロモダンな色形の建物群も奇妙に見えまする。まぁ、全国のたいていのお城も周囲がスッキリしているとは限りませんが。ちょっと残念。
気を取り直してさらにテクテクと接近。やっと小倉城に着きました。天守閣は鉄筋コンクリート製ですが、外観は忠実に再現されているそうです。内部には立派な甲冑やら、それっぽい演出装置やら、巌流島の決闘(なぜか山口県)、地域にかかわりのある古い写真の展示などがありました(個人的には写真展示が面白かった)。
最上階に登ると ... 誰もいません(笑)。まぁ、夏休みに入って混雑するより、こうして落ち着いて楽しめるのもヨロシイですな。なんて思いながら眺望を楽しんでいると下から外国人観光客の皆さんがやってきたので、早々に降りまして。ひこにゃんを撮影してみたり(←ひこにゃんぢゃないってば)。
出口の脇に陶板絵があり、よく見ると原画は江戸時代後期の小倉が6枚つなぎで刷られた浮世絵です(興味津々)。
何より石垣に味がありました。周辺の神社仏閣や庭園もなかなか見応えがあります。
雨も悪いことばかりではありません。小倉城を川瀬巴水スタイルで撮ってみますた。
小倉城は小倉駅の西側にあり、旦過市場は小倉駅の南側にあります。移動しようと街の地図を見たのですが、変な方向へ歩いてしまい、あとでその理由がわかりました。ここに設置してあった地図は北が右なんですね。なぜ北を上に描かないのか不思議(地元民向けでしょうか)。特大サイズの画像をリンクしときます。
交通量も多く、都会ですな。丹過市場近くでパノラマ撮影しときました。
で、雨もあがり次の旦過市場(たんがいちば)です。入り口は一つではなく路地が複雑に交差したくさんあります。生鮮食料品を中心にありとあらゆるお店があります。写真だけ見るとシャッターショウテンガイですが、この市場のほとんどのお店は午後4時で営業終了です(しかも日曜は休み)。すでに夕方6時を過ぎてます。今回は見学のみになってしまってヒジョーに残念。次の機会にはじっくり楽しみたいです。
戦後の昭和で時間が止まったようなエリアですが、このたたずまいが気に入ってます。門司港には「門司港レトロ」というオシャレな観光地がありますが、こちらは本物のレトロです。本来ならこの旦過市場だけで3日間は観光を兼ねて深い飲食も十二分に楽しめます。こまめに撮影したりなんかすると1週間かかるカモ。路地裏には魚の木箱が積み上げられニャンコ達がたむろしています。人々の暮らしがあります(写真に写っているモノレールは小倉競馬場カラー)。いいねぇ。
このあたりに昭和館という映画館がありまして、今回の候補地でもありましたが、まぁ、これも時間の都合で次の機会に(パコデルシアの生涯をやっていた)。
丹過市場界隈を3回ぐらい巡り、雨もあがって時計を見れば午後7時をまわっています。
市場内の行く先々で美味しそうなお店を見かけますが、オナカはまったく欲しておらず、残念ながらまたの機会に。
・小倉駅に戻って門司港へ
北九州に到着してまだ4時間も経っていないのに、はやくも満足感 UP!
商店街を抜けて小倉駅へ向かう途中にふと聴こえる太鼓の音。祇園太鼓だ! そう、映画「無法松の一生」にも登場します。そういえば小倉城や商店街各所に祇園太鼓保存会のポスターを見かけました。つい先日(7/1)、打ち初めがあったようです。音のするほうへ通りかかると子供たちが叩いています。観光客も足を止めています。いわゆる公開練習ですな。北九州市は何でも観光資源にしてしまふ。上手いなぁ。
大人たちもサポートして町ぐるみで祭りを盛り上げています。
だいぶ陽も落ちました。このあと門司港へ向かいます。国王への拝謁は明日の土曜ですが、粗相が無いよう予行練習であります ... という口実で門司港名物の焼きカレーを食べて地ビールを味わい、夜景を堪能しようという魂胆です。夜8時 JR小倉駅から280円の切符を買い、陽の落ち始めた鹿児島本線を北上します。15分おきに電車は出ています。所要時間13分。
小倉駅 → 門司駅 → 小森江駅 → 門司港駅
というわけで門司港駅に着きました。御覧あれ! このホームの広さを! 昔ながらのひらがなの書体で書かれた「もじこう」が泣かせます(鶴田はこういう Font に弱い)。木造の駅舎。屋根の中央には傘付き裸電球。写真ではわかりにくいのですが、ホームに降り立った途端に(初めてなのに)不思議と懐かしさが沸いてきて、なんだか暖かいです。 いいねぇ。
・門司港あたりを探索
夜の8時半です。駅前の通りや方角、お店や銀行、観光施設などのランドマークをざっと確認。立派な港町ですな。
もうひと歩きすればオナカも空いてくるだろうと、地ビール工房を目指してテクテク歩きます。
湾岸をぐるりとまわって湿度の高い雨上がりに汗がにじみつつ... 門司港地ビール工房にやっと着きました! 金曜ですが、遅くまでやっているお店です(お店のサイトはこちら)。お店のすぐ前は海です。対岸は山口県下関市。とても夜景が綺麗でした。
汗をふきふき、テーブルについて焼きカレーとビールとサラダを注文。ビールのメニューを見ると、お店のホームページには出ていない夏限定のスペシャル・サマーヴァイツェン。これは当然ながら来店しないと飲めません。限定モノに弱い鶴田は迷わず注文。フルーティで爽やかですが、コクを失わず作りたての新鮮な味です。来てよかったなぁ。
中二階にはガラス張りのブリュワーがあり醸造タンクも見えます。 思ったよりお客さんが入ってます。
そして焼きカレー。 鉄のパンにゴハンを盛ってカレーをかけ、半熟卵をのせます。さらにチーズをパラパラ蒔いてオーブンで溶かしてある、というものだそうで ... 。まぁ、フツーのカレーですが、門司港では広く食されているようです。この店の焼きカレーにはオプションでふぐの唐揚げが2本トッピングできます。下関といえばふぐ(現地の人たちはふくと呼ぶ)ですが、ちょうどこのお店の大きな窓から港越しに対岸の下関が見えます。私は予約せず来ましたが、このお店を予約するのであれば窓際がイイかもしれません。2階席もあります。
ビール2杯目もサマーヴァイツェン、3杯目はピルスナー。お店の出口には持ち帰り用のビールやカレーを販売しており、飲食の会計とは別になっています(レジが2台あります)。ちなみにビールとカレーはネット通販でも買えます。ビールの賞味期限を1ヶ月としてあったのには感心しました。たいていの地ビールは半年が賞味期限ですな。ビールはトラピストのような熟成型を除いて完成した瞬間がいちばん美味しいのです。
ふぅ、大満足です。もう死んでもいい(←をひをひ)。
今日はこれぐらいで終了(小倉に戻って寝ます)。
Memo:徒歩移動距離 17.22km
# 今回は本文もしぶとく長いね。
# まだまだ、これからが真骨頂。
■ 2日目 2017年7月8日 土曜 曇りのち晴れ
・福岡県もうどん県
さて今日はいよいよ国王に謁見する日であります ...... が、その前に朝食をいただきます。うどんです。
讃岐うどんと並んでよく比較されるのが博多うどん。うどんの発祥は福岡という説もあります。しかし、これもラーメンと同じで北九州うどんとか、久留米うどん、豊前うどんのようなものもあったりします。つまり九州には深いうどんがたくさんあると。ラーメンでいうところの横浜家系のような豊前裏打会なるうどん系列もあり、地元の人もふだんはラーメンよりうどんを食すことが多いとか ... 。ともあれ、今回の旅ではどこかでうどんを食べねばならないのです(義務)。福岡まで来てうどんを喰わずに帰ったとあっては鶴田家の末代までの恥。鼻息を荒くして、イザ!朝食はうどん!
一日ほぼ2食というのが定着している(一日1食でも全然平気)鶴田にとって、今回の旅では朝・昼・夜の三食を食べようと計画したのだからたいへんです。ふだんは仕事中でも両手の第一関節以外は動かしませんから体力は消耗せずオナカもすきません。ところが九州には美味しいものが山ほどあり、とりわけ北九州は多彩です。鉄なべぎょうざ(小倉発祥)、小倉牛、馬肉、モツ鍋、ふぐ、ウナギなど、とても3日間では食べ尽くせません。 あぁ、困った困った .....
そう言いながら予定どおり小倉駅前の商店街の「資さんうどん」に入ります。ここの看板にはルビ(よみがな)は振ってありません。強気ですな。前もって注文も決めてあります(事前調査ですな)。肉ごぼう天にエビかきあげトッピング、これだ。ホントはダシの味を変えてしまう肉は無いほうがいいです。ちなみに、事前調査では東京に支店の無い店を選びます。九州まで来た意味がありませんからな。
東京のうどんではまず見かけませんが九州では無ければ犯罪! それが「とろろ昆布」です。子供の頃からうどんには必ずとろろ昆布が入っていると思い込んでいたので東京へ来てうどんを食べたとき、実家へ戻ろうかと思うぐらいショックでした。
ちなみに公式サイトはコチラです。なんと! 24時間営業している店舗もあります。じつは他のうどん屋の候補がありましたが、朝が早いので営業していなかったのでした。
1/3ぐらい食べたところで、すでに満腹感。具の量が東京の2倍なんだもん。なんとかがんばって完食。
朝からハラを恵比寿様みたいにでっかくして小倉駅に入ると、どこのホームにもラーメン屋とうどん屋があります。そう!名物「かしわうどん」です。も、もう、うどんはいいから ... 。
じつは資さんうどんは讃岐うどんがルーツなんですね(現在では完全に地元化してますが)。かしわうどんを優先するべきであったか!? 残念ながら今回の旅では食べる機会を失いました。これも次回の楽しみとします。
かしわうどんに未練を残しつつ、小倉駅から280円の切符を握りしめ、門司港に向けて鹿児島本線を北上します。
昨夜予行練習したのですが、同じ路線でありながらも今朝は別の景色が見えます。不思議なものです。
● 7/8土 国王と王妃に謁見
門司港駅から歩くこと25分。昨日の雨はどこへやら。気温も湿度も高くしかも上り坂。iPhoneで地図を確認しているのに途中で迷って脇道にそれてみたりして。それでもどうにか11時10分ごろにカボチャドキヤ(国立美術館)へ到着。
おお!ここがそうかっ!感慨無量(まだ入ってもいないのに)。満足感UP!UP!UP!
やっと今回の本題にたどりつきましたな。前置きが長くなってしまいました。このページのほとんど7割ぐらいが前置きです。
入口は青く塗装された「引き戸」です。大正7年築の歴史的な建物を美術館に改装してあるのです。
ガラガラッと開けて「こんにちは〜!」と .... 反応無し。
玄関を良く見るとハンドベル(商店街の福引に使うヤツ)が置いてあり、御用の方は鳴らしてくださいと書いてあるのでガラン!ガラン!と。
しばらくすると品の良い御婦人が現れ、ようこそと御挨拶くださいました。どうやら奥様、あ、いや、王妃にいきなり拝謁したというわけです。
感激ですな。汗を拭き拭きやってきたので、本来はこの美術館のスタッフ用であるというリンゴジュースを振舞っていただきました。優しい王妃に感謝です。
あいにく国王(館長)は不在らしく午後1時半か2時ごろにやってくるとのこと。まだ2時間以上あります。ちなみに私以外に来館者はありません(笑)。
そのあいだに王妃とあれこれお話しして、美術館内の作品をじっくり閲覧するのでありました。二杯目はお茶が出たりなんかして再び恐縮しきり。
作品は100点以上展示してあるそうで。ペン画、手書き彩色、油絵、テンペラ画、そしておびただしい数の銅版画作品。
以下に館内の写真を掲載しておきます(館内の撮影許可を得ています)。
館内写真1 館内写真2 館内写真3 館内写真4 館内写真5 館内写真6 館内写真7
初期の作品から最新作まで。感激ですな。絵本、ポスター、イラストを手掛けた建築専門誌やカレンダー、それらの原画なども展示してあります。私の所有する BANBOO BABEL も見つけました! どうしてもエッチングに目がいきます。とくに建物や構造物の好みが作者と近いのか、こんな家があったらいなぁ、と深く楽しめました。画集でしか見たことのなかった作品も揃っており、油絵はサイズが大きいので画集よりも見やすく(老眼なので)細部まで鑑賞しました。この方は建築家を目指しただけあって実際に小さなカボチャ型のアトリエを自分で建ててしまったのですが、その縮小モデルも展示してありました。気が付くと美術館内の構造にも目が行ったりして。
午後1時頃になると国王登場! (どうやら王妃自ら電話で呼んでくださった模様)
芽出度く国王に謁見を許されまして。
御尊顔を拝し恐悦至極に存じたてまつりまする。ハハ〜〜〜〜ッ。
しばし歓談。
昔、このあたりには三井や三菱の倉庫がたくさんあったそうです。歴史的な建物は徐々に解体されて減っていったと。
以下、入館時に王妃に頂いた美術館のパンフレットより概要を掲載しておきます。
【カボチャドキヤ国立美術館】
・所在地:〒801-0872 福岡県北九州市 門司区 谷町 2-6-32 大きい地図 (GoogleMap)
・開館日:土曜と祝日(または振替休日) ※日曜は休館
・開館時間:11:00 〜 16:00
・入館料:大人300円 中高生100円 小学生以下無料
・交 通:JR門司港駅から徒歩25分。西鉄バスなら門司港駅前または桟橋通バス停から山手田ノ浦行き谷町バス停下車1分。
小倉魚町から都市高速経由山手田ノ浦行きもあります。
・駐車場:2台
・電 話:093-331-5003
無事に謁見を果たし、鶴田制作の銅版画 / メゾチント作品「バベル III 」を献上して記念撮影。腕が日焼けしてます。カメラマンは王妃であります。
● 今日のPAY
入館料(入国料) 300円
気が付いたらいっぱい書いてしまいましたが ....
え〜〜っ! まだ書くの?
記事掲載:2017年7月24日
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