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■ Title : 宮殿の怪しいお兄さん [仮題] / Photogravure / Publisher: 不明 / 詳細不明 / Ca.1890

● 宮殿の怪しいお兄さん [Leonora d'Este and Tasso]
表題も出版社もわからず、その他詳細不明ということで入手した版画です。銅版のフォトグラビュール(Photogravure) ですな。じつに階調豊かに印刷されています。
やたら大きなロゼッタを持つリュート系の楽器が描かれています。衣装は17世紀頃にも見えますが、楽器は18世紀後期から19世紀に見られるようなデカイブリッジとハデな装飾。シルク製と思われるしなやかなストラップにも御注目。表面板の周囲はドイツやオーストリアのギターやマンドリンによく見られるパーフリングが施されています。しかも7単弦! が、しかし! ...... ヘッドを見ればペグは少なくとも11本あります(笑)。
不思議なことにボディの底部(表面板のカド)に丸い小さな穴が描かれていますね。何に使うんでしょう? キャラメルでも隠しておいて演奏中にオナカがすいたらペロペロ頂くもの?
宮殿らしき一室に通された一人の若者。そこではリュートを伴奏に歌など歌って楽しい昼のひととき。しかし、この若者が何やら問題発言を... 周囲の御婦人方が動揺を隠せずにいます。警戒する御婦人、追い出してしまいたげな御婦人、突然の事態にリュート奏者も手を止めてしまったようです....。
紙のサイズ:206 x 288mm
印刷面サイズ:120 x167mm
裏面:ブランク
備考:書物の1ページ
● 更新情報! 2012年1月8日
クレーンホームページを御覧のEさんから耳寄り情報を頂きました! それによると、この版画は.....
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表題: Leonora d'Este and Tasso (From Story: Torquato Tasso by Goethe)
画家:W. von Kaulbach
彫師: J. L Raab
ゲーテの戯曲《トルクァート・タッソ》の中の一場面のようです。タッソーは実在の詩人、絵の中の怪しいお兄さんですね。中央の高貴な女性は、タッソーが世話になっているエステ家のフェラーラ公の妹レオノーラでしょうか。
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とのことです。いやぁ〜〜〜、有難いことです。同じ版画をお持ちとのこと。偶然でしょうか。しかも、この情報を提供頂いたのは私が近年お世話になってる方で、二度びっくり! 心から感謝申し上げます。
ということは、この版画の場面はもう少し時代はさかのぼり、16世紀のイタリアが舞台のようですね。御婦人方が驚いているのはタッソ兄さんの叙事詩「解放されたエルサレム」を耳にして、その内容が異端的なものだったからでしょうか。Wikiペディア等でも説明を見つけることができました。タッソ兄さんのアコガレのレオノーラ嬢にドン引きされて、心を病んでしまったようです。このあたり調べるといろんなことがわかって興味深いですね。
参考:トルクァート・タッソ:Wikipedia