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CRANE 案内板 |
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● 新刊案内:「 19世紀 ウィーンのギター」
「 Stauffer & Co. :THE VIENNESE GUITAR OF THE 19th CENTURY」
さて、今日は製作家、修復家のエリック・ホフマンさんが編纂した文献の紹介です。鶴田とはFacebookのお友達です。
シュタウファーをはじめウィーンのギター製作家と関連する様々な資料を掲載した文献が発表されました。
7弦ギターやシターン系を除く6弦とツインネック多弦ギターが豊富に掲載されており、質・量ともにウイーン系ギターのバイブルといっても良いでしょう。まさに待望の巨編! 世紀の大作。200部限定。掲載楽器による演奏CDも付属。200冊すべてに手書きのエディションが記入され、かかわった3名の直筆サインがあります。
C.F.Martinが修行したことでも知られるウイーンの弦楽器工房「シュタウファー」。当クレーンホームページでも随所で解説してきましたが、19世紀ギターの歴史において、初期のシュタウファーはイタリアの影響を強く受け、とくにファブリカトーレを代表とするナポリタン・ギターのコピーを製作していました(のちに独自のスタイルへと昇華)。お手本とするには当時のナポリのギターはカッコ良すぎたんですな。この文献はそれ以前の時代から解説があり、のちのボヘミア界隈で流行するツインネックの多弦ギターに至るまで紹介。そのほか、アルペジオーネや変形ギターにも解説が及びます。ツインネックの15弦ギターや17弦ギターはウィーンやボヘミアの特徴的な一時代といえますが、ヘッド形状や糸巻きの違いなどもしっかり押さえてあり、それだけ見ても貴重な文献といえます(もとより、ほかにこんな文献が無かったんですけど)。
●「 Stauffer & Co. :THE VIENNESE GUITAR OF THE 19th CENTURY」
著者:編纂:Erik Pierre Hofmann, Pascal Mougin, Stefan Hackl
価格:195EURO + 送料(現在のレートで約26000円)
サイト:Stauffer & Co:http://stauffer-and-co.com/
★ 当クレーンホームページでも販売致します。在庫わずか2冊ですが、御希望の方は御連絡ください。在庫がなくなり次第、販売終了です。
2/15更新:【2冊とも売り切れました】
この本、恐ろしく重くデカイです。38cm x 31cm ハードカバーで厚さ3.5cm、重量は約3.5kg ひゃ〜〜〜!!
高品質なカラー写真による数えきれないほどのギター、そしてまたギター..... 銅版画や19世紀の写真(CDV、Cab)、楽器図面、その他の関連書類も豊富。ページを繰るごとにヨダレとタメ息の止まらないようなギターの写真が次々と登場します。英語、ドイツ語、フランス語の表記ですが、写真だけでも十二分に堪能できます。私は2011年4月にこの文献が制作中であるという情報を得まして、すぐに予約。その夏には送られてくる予定でしたが、このテの出版は遅れるのがお約束。エリック・ホフマンさんから何度も遅延を詫びるメールが届き、やがて年が明けてしまい、「こりゃぁ、ホントに届くのか?」なんてノンビリしてたら、突然、2月2日に届きました。予約したときから1年近く経過しているのでEUROは下落。早期予約の特典で送料無料が糠喜びに..... と、複雑な思いでデカイ梱包を開くと、届いた本の中に音楽CDが入ってました。
このCDも限定物で4曲が収録されていますが、マウロ・ジュリアーニ、ルイジ・レニャーニ、J.Kメルツ、ジュリオ・レゴンディという通好みの選曲。しかもリバーブはまったくというほどかけてなく、どこかのトーレス文献付属のCDみたいに、リバーブまみれで評価もなにもあったもんじゃないものに比べれば雲泥の差。つぶさに楽器の性質を読み解くことができます。
参考までに以下に本書からのごくわずかですが、抜粋して紹介しておきます。