● TSULTRA FRET ●
弦楽器製作者の強い味方!ナットから各フレットまでの長さを表示します.
小数点以下の処理はしていませんが少数以下1ケタでも充分でしょう.
お手元にプリンターがあれば印刷してご利用いただけます.
● 弦長(ナットからブリッジまでの長さ)を入力して計算!
・まず、表示される計算結果は「理論値」ですので、実際には張る弦の太さが太くなるほど押さえたときに音が高くなる傾向(押さえた分だけ張りが強くなるので)があります、従ってナットから各フレットまでの位置をわずかばかり短くする補正が必要です。その補正を行ったのが「実際の位置:Actual」という一覧表になります。ですからあなたがフレットを打つ場所はActualの表を参考にしてください。
・計算結果の表の下にある(ThickgaugeとThingauge)が弦の太さによる修正値です。これはあくまで1弦側が細く、6弦側が太くという想定のものです。現実には使用する弦の太さによって1本づつチェックするのがベストですが、多くの場合はブリッジのサドルの削り具合で位置調整します。クラシックギターの場合は3弦は太いナイロン弦ですからやや多めに補正します。
・最終的な微調整はサドルのエッジ(ピーク位置)の削り具合で調整します。もっと厳密にいえば弦を張り替えるたびに(弦の太さは微妙に異なるため)、あるいは使用する弦の太さのひとつひとつに関してこの補正を行うべきです。こういった煩雑な微調整を避けるためにプロのプレーヤーなどにおいては使用弦を固定(指定)してサドル調整することすらあるのです。ちなみにエレキギターのブリッジではサドルのネジをドライバーで位置調整することでこの問題を解決しています。このような補正を行う場合は12フレット位置のハーモニクス音と実音をチューナーで比較しながら同じ音の高さになるようにします(オクターブピッチ調整といふ)。
・アーチトップギターでテールピースと可動位置のブリッジを持つ一般的な構造の場合は6弦ずべてをおおむね調弦しておき、先にブリッジ位置を決めます。そのあとサドルの削りのピークによって微調整しますがブリッジ自体を微妙に傾斜させるだけで全体的にバランスがとれることもあります。
・厳密にいえばクラシックギターやリュートの弦は補正は小さめでもかまいませんが、スチール弦の楽器は補正量が大きめになります。なぜなら、ナイロン弦や芯がシルクやナイロンを使った柔らかい弦ではナット端やフレット端、サドル端のギリギリまで弦は振動します。それに対してスチール弦は硬い弦(つまり剛性が高い)であるために弦の振動は押さえた位置からサドル端までの長さよりもやや短くしか振動しにくいからです。ようするに物理的な弦長(サドル先端から押さえた位置)よりも実効弦長は短くなるわけです。硬い弦では振動が抑制されやすいというわけです。この現象はとくに弦長の短い楽器やスチール弦ギターでは顕著に見られ、3弦にソリッドの弦を張るのか、あるいは芯入りの巻き弦を張るかどうかによって結果も異なります。開放弦の音と、1フレットを押さえたときの音がチューナーを使ってもズレることがあるのもこれが原因です、対処はゼロフレットを設けたり、ナットと1フレットめの距離をやや短めにするといった楽器が見受けられます。
・ウクレレの場合は4弦に伝統的な細いナイロン弦を張るか、モダンな?巻き限でオクターブ下(Low:G)げるかによっても補正量は異なります。
・リュートやアーリーギターの場合はブリッジとジョイント位置(何フレット位置でボディとジョイントするか)さえきちんと作っておけば、あとはナットの高さを調整しておいてフレット(ガットですから可動)位置は鳴らしながら決めることができます(これって便利)。
・演奏者はチューナーを使って正確に調弦しても人間の耳に聞こえる感覚では「高い音はやや低く、低い音はやや高く」感じます、つまりピッタリ調弦では物足りなく感じる性質があるのです。そこで、対処法としてはこういった聴覚を考慮して「高い音はやや高く、低い音はやや低く」、つまりピッタリよりもやや過剰に調弦したほうが良い結果が得られることがあります。
・なんだかんだ書きましたが、最終的な緻密なフレッチングやサドル位置の決定などというのは楽器のひとつひとつに対して施すわけでありまして、数式を持ち出して論理的に設定パラメータを決められるような単純なものではないのです。はやい話が目の前の楽器をあれこれいじりながら現状(楽器の構造やコンディションや弦の性質など)に応じてつじつまの合うように試行錯誤しながら最も無難な設定に落ち着けば「勝ち」なのです。頭を働かす以上に手を動かしましょう。
というわけで参考までに...。