クレーンショーケース

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6単弦ギター  ベネディット・ヒストリカルコピー

 ベネディット

 

品 名:ホセ・ベネディト6単弦ギター・ヒストリカルコピー

譲渡希望価格(円): 価格応談  譲渡済み

新品/中古の区別:新品(1812年の6コース楽器の単弦版コピー)

付属品:専用ハードケース(ケースはあくまでオマケです)

備 考:ルクスラインを含む羊腸弦を張ってあります 。弦の詳細についてはお買い上げの方に別途お知らせします。

楽器写真1 楽器写真2 楽器写真3 楽器写真4 楽器写真5  

説 明:

【楽器について】

6コースのベネディットギターを19世紀当時にみられた手法で6単弦にて再現したモデルです。非常に希少な材であるスパニッシュ・シープレス、ネックとヘッドはスパニッシュ・セダーが用いられています。そして装飾モデルとあって特徴的なアラベスク表面板とフラッシュフィンガーボードのインレイ、いずれも手間と緻密さと技巧を求められるつくりです。ボディ内部のブレイスやバーもオリジナルに忠実な構造で、音の鳴り方も1812年のそれと遜色無い高いレベルにあります。19世紀当時、12弦6コースから6単弦の改造も頻繁に行われたわけですが、今回の楽器も同様で、ヘッドの裏側を見ればわかるとおり、当時の改造スタイルを踏襲したものになっています。

センシティブな楽器のため、モダンギターのように右手に力をいれて弾くと、むしろ逆に鳴りにくくなるため、脱力して楽器と弦の味わいを確かめるように奏でる、それがこの楽器の正しい弾き方といえます。スペイン楽器ならではのふくよかな音色と充分な音量、歯切れ良い和音、輝くようなメロディを奏でます。

19世紀ギターとしてはフランスやイタリア、あるいはイギリスやオーストリアといったヨーロッパ各地のスタイルのどこにも無い、独自の世界を築いていたスペイン。材料も構造も音色もユニークですが、現在ではオリジナル楽器はもちろん、それを忠実に再現したレプリカですら、なかなか見ることができません。このスタイルの楽器を作る製作家が極端に少ないことに加え、オリジナルの現存数も少なく、資料も限られているのです。そのため残念なことにどうしてもレプリカはモダンな仕様で作られてしまうことがほとんどなのです。
東京ハンドクラフトギターフェス(THGF)2009において、私のCRANEブースに展示しました。好評をいただき、その後、塗装の続きを終えてようやく2009年6月にホントの完成となりました。

2005年にオリジナルの楽器を入手して以来、その修復・録音、フルコピーの製作、そして単弦モデル製作、これら3部作でベネディット・プロジェクトは4年間に及ぶシゴトの完了です。




【 ホセ・ベネディト:1760-1836 】
スペイン・カディスのギター製作家の一族に生まれ、父マテオもすでにその時代には高名で、息子達もまた製作家になっています。カディスといえばPagesもよく知られた製作家ですが、ホセ・ベネディトの妹は1793年にJuan Pagesの息子Franciscoと結婚しており、互いに血縁関係があります。それゆえか楽器もまた、いくつかの類似点があり興味深いといえます。Pagesの楽器はいくつかの博物館に現存していますが、ベネディトは希少で現在では世界に12本ともいわれています。ホセ・ルイス・ロマニロス氏によるトーレスの研究書「Antonio de Torres」によるとトーレスやホセ・レシオ、フランシスコ・ゴンザレスですらホセ・ベネディトのギターを参考にして製作していたことが伺えます。トーレスはアルメリアやグラナダのギター製作スタイルを捨てセヴィリアやカディスのこういった18世紀ギターのアーキテクチャにならって製作したのです。現代のモダン・クラシカルギターの父がトーレスならば、祖父はベネディットといっても過言ではありません。

※ スペインのギターの歴史に関してはカルロス・ゴンザレス氏の研究書やホセ・ロマニロス氏の製作家辞典等に詳しく解説されています。

 


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