CRANE 楽器ケースをつくろう! 
2 in 1 ギターケース
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 製作過程の解説-2

 

とうわけで目標がはっきりすればあとはおおまかな構造をスケッチしておき、寸法を確定します。スケッチもいくつか描いたのですが今回は掲載しません(キタナイので)。私の場合、市販されている木材の寸法にもケース形状は左右されます。今回は幅45cmのファルカタ集成材を使います。厚さは約1.5 cmです。当初は幅を41cmに考えていたのですが45cmに広げることでケース全長を短くできます。つまりなるべく木材カットの手間を省こうという手抜き作戦です。シュタウファスタイルのギターはヘッドが長いのでちょっと気をつかいますが逆に考えれば、これが納まるサイズであればたいていの19世紀ギターは格納できるのです。

ちなみにギター1本の長さはジョ〜シキ的には約90cmですので、もし1本用ケースを作るのであれば全長95cm x 幅45cmのファルカタ集成材がカットせずそのまま使えるのです。っこでは2本を逆向きに格納するのでお互いの組み具合によってケースの幅と全長が微妙に変わります。

 

 

材料が揃ったら予備(パーツ)加工です。寸法を測りながらノコで切っていきますが、ファルカタ集成材はバルサ材より硬く重いですが、一般の工作用木材(ひのき等)よりははるかに軽くて丈夫で加工もカンタンなのでケースにはうってつけです。厚さは1cm程度にしようと思っていたところお店(三鷹のJマート...Jリーグみたいな名前のDI.Yショップ)には1.5mm厚しか置いてないとのこと.....まあ、なんとかこれでいきましょう。補強材をほとんど省ける厚さと考えればいいでしょう、前向きにまいります。悩んでいる時間はないのです。少なくとも3日間で完成させねばなりませんし....。

 

 

さあ、寸法が確定したらさっそくカットです。今回は急いでいるのでカットの作業を進めながら平行してサッサ、サッサの金鳥サッサ.....と接着作業も同時に行います。このところだいぶ高齢者ネタが多いです。

カットは写真にあるようにノギスを使って0.1mm単位に厳密に......やるわけがありません。テキト〜〜でいいのです。あとで泣きながらつじつまを合わせましょう。

 

 

接着は木ネジを併用しながらタイトボンドで接着しますが前もってルーターで木ネジの下穴をあけておいたほうが良いでしょう。釘を使ってもかまわないと思います。昔のケースには釘は使わないのが一般的ではありますが....。ちなみに今回使用している木ネジやフック類のパーツはすべてブラス製です。フック類は探せばたいていのものはブラス製がみつかります。できるかぎり19世紀を意識したパーツを使うのが鉄則......と見せかけてじつはたまたまお店に揃っていただけのこと.........。木ネジは深さが30mm近くありますがあとでストラップを付ける強度を考えてのことです。

箱を組み上げながら実際のギターをときどき配置してみて板厚と収納バランスをチェックします。そうすると失敗しにくいです。経験者は語ります。

 

 

カンナとノコギリが大活躍しますが、同じぐらいクランプも活用します。長いクランプはギター製作にはとても重宝しますがケース製作でもこのとおり.....。ここまでの設計・切断と接着の作業は約1日で終了してしまいます。ふだんにも増してヤル気充分の鶴田です。気合入ってます、出展日は目の前です、ウィッス!

 

 

カンナがけを行って完全に閉じた箱をひとまず完成させます。そうです、フタはあとからこの箱をカットして分離しちゃうのです。そうすれば絶対に箱とフタがずれないというワケ......。今回は真剣に作っているわけではなくスピード仕上げでバッチリ機能すれば良いのでこまかいところにはあまり気をつかわないことにしていたのですが、ちょっと出っ張っていたりするとなんとなく気になる私.....。こうやって秋の夜長は更けていくのです。

 

 

 

というわけで箱ができました。エッジにテーパを付けたり、雑巾で接着剤を剥がしたりして全体を軽くチェックします。あとは箱とフタの分離作業や内装作業が待っています。

つづく....

 

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