■ 製作過程の解説-1
さて、今回はフェアに2本の19世紀ギター(自作楽器)を出展するために運搬用ケースを製作することにしました。じつはだいぶ前から2 in 1のギターケースを作りたいとは思っていたのです。そうすれば自宅の工房にギターを保管するにも便利だろうと。楽器を2本以上お持ちの方はおそらく楽器の保管場所に悩んだ経験があるでしょう? でしょ? さて、ここでひとつの写真を御覧ください。

これは私の加盟するアメリカの弦楽器製作者協会「Guild of American Lutherie」 の季刊誌から引用した写真です。ラベルが貼られている点にも注目されたし。その昔、ギタリストFerranti氏の所有した2本のラコート(スペアと本番用)が納まる携帯用ハードケース.......ちょっとレア。
じつは、私は自作の「2in1ケース」の製作を終えた次の週にこの季刊誌を読んでいて偶然この写真を見つけました....「やはり今も昔も考えることは同じか... 」。ちなみに、以前、某出版社で同様のケース(現代の製作によるもの)を見かけたこともあります。みんなこのカタチに落ち着いたわけですね。それにしてもこの写真のケース、デカイ。
ただ ... 上の写真のケースも某出版社で見かけたケースもかなり大きいのです。理由は簡単で、楽器の周囲を包み込むようにフィットさせた緩衝材が大きすぎる。結果的にはサイズも重量も増してしまい通常の1本用ギターケースの2倍程度に。
今回私が最初に考えたのは「限界まで小さく軽く作る」ということでした。もうひとつの目標は「形状の異なるギターでも格納できるような工夫」です。つまり上の写真のケースも、某出版社で見かけたケースもラコートやパノルモといった楽器の固有の形状に合わせて特注されたものなのでウレタンの型はピッタリ決まっていて他の楽器は納まらないのです。これだとたくさんの19世紀ギターを所有している場合に入れ換えが難しく、不便です。私がどうやってそれを克服したか? といった点が今回の見どころです。
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