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■ 033:MINIGUITAR TYPE−N
■楽器名:MINIGUITAR TYPE−N
■製作者:abe
Nは孫の名前のイニシャルです。「ウサギのギター」と呼んでいます。
● コンセプト
2歳児向けの大きさで、とにかくギターに親しみを持てることが目的で、基本的にお兄ちゃんと同じにする。TYPE−Sと同じく丈夫でディテールは本物志向
● 製作のきっかけ
私には3人の孫がおり、一番上の孫は男の子でSです。この子用に作ったのが以前投稿させていただいた「MINIGUITAR TYPE−S」です。
今回作ったのは2番目の孫で女の子のN用です。どんなものでもお兄ちゃんと同じものを欲しがるので、作ってあげました。お兄ちゃんにも2歳の時に作ったので、今回もNが2歳の時にしました。
● 仕様
ボディ最大幅=250mm
ボディ厚さ=60mm
スケール=433.8mm(通常の650mmの2/3で、7フレットの長さ)
表板厚さ=3.0〜3.5mm
側面厚さ=3.0mm
裏板厚さ=3.0〜3.5mm
指板幅(ヘッド側)=45mm
指板表面はR=400mmの曲面仕上げとし、子供の手でも押さえやすい形状とした。(TYPE−SはR=300mm)
● 材料
表板=エンゲルマンスプルース(これもTYPE−Sと同様に端材を使ったので木目の密度が外側にいくほど狭いです。)
側板=アフリカンマホガニー
裏板=アフリカンマホガニー
指板=黒檀
ネック=アフリカンマホガニー
ヘッド=桂
ブリッジ=黒檀
塗装=とのこ、カシュー(ネオクリアー)、仕上げはピカール
● 調弦
現代ギターの5フレットにカポタストを取り付けた音程にしています。弦長さが2/3で音程が4/3ですから張力は(2/3)÷(3/4)=0.89となり、子供の力でも押さえ易くしています。弦は1〜3番のナイロン弦をEXCELLENCE CECILLIA ロ−S 4〜6番はプロアルテのノーマルテンションシルバーです。
● 象嵌
ヘッドにはウサギの顔をメープルのバーズアイで象嵌しました。お洋服などにウサギの模様を好んでいるので「ウサギの象嵌」にしました。
● 音色
TYPE−Nと同様に「思ったよりも音がでます」今回は表面板を4mmでなく3.0〜3.5mmにしたからでしょうか、しっかりと音がでている感じです。
●今後の予定
3人目の孫はまだ1歳ですが、お兄ちゃんお姉ちゃんと同じものを欲しがるので、来年にまた作るようです。さて象嵌を何にするか考えなければ!
【鶴田より】
なんかこう、親バカコーナーみたいになってきましたが(笑)、abeさん4作目の投稿です。お孫さんが可愛くて仕方がないのでしょう。モデル名もついにTYPE-Nになってしまいました。楽器はといえば、これが張力や弦長など前作をしっかり継承。表面板の厚み変更がありますが、ネックのVジョイントの工作など立派なものです。桂はこまかい細工をすると破損しやすいのですが、比較的軽い樹種なのでヘッドには好都合かもしれません。ちっちゃくてもビンディングやパーフリング、指板の加工やブリッジの細部までフルサイズと同様に作ってあり、手抜きがありません(塗装はあと一歩といったところでしょうか)。二人のお孫さん、ちゃんと足台を使って弾いているところがイイですな。
記事:2014.7.1