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■ 026:「HOSCO テナー・チアキカスタム」
■楽器名:「HOSCO テナー・チアキカスタム」
■製作者:鳴海千秋 さん
● コダワリを以下に
1.不要になったCDをインレイに再利用
ロゼッタのインレイは貝の代わりに不要になったCDを棒状(幅1.8ミリ)に切って使用しました。 CDを切ると銀色に輝く幕がプラスチックの素材から剥がれ落ち、ただのプラスチックの棒になってしまいます。しかし、ここであきらめずに剥れた銀色の膜を(ニスを接着剤代わりにして)切った素材にもう一度貼り付け虹色に輝く棒に仕上げます。後はこの棒を7〜8ミリ程度に切断し、鶴田様のホームページの「ウクレレキット再入門“インレイを入れよう”」を参考に、形を整えクシャミをこらえ順番が狂わないように慎重にはめ込み完成。(不要CDとは思えない輝きです、うっとり)
2.ヘッドは星の砂で装飾
ヘッドの形を波型に削り、土産にもらった沖縄の「星の砂」を流れ星のように配置し、さらにワンポイントに小さな巻貝を3個ほどつけてみました(いい感じですよ…誰もほめてくれないので自己PR)。
3.専用木製ケースを手作り
これも鶴田様のホームページ「楽器ケースをつくろう」に刺激を受けて早速作ることにしました。バルサ材を買いにいきましたが、田舎のホームセンターにはサイズが少ないうえに馬鹿高いので、「労力は惜しまないが金は惜しむ」私としては、急遽ファルカタ集成材(厚さ6ミリ、180×600が最大)を張り合わせて作ることにしました。 内装はぴったりの生地がみあたらず悩みましたが手芸屋さんでフェルトと手芸用の綿(クッション代わり)を購入しました。
(1)ケースは丸みのついた形にこだわる
丸みの部分は厚さ13ミリのファルカタ材を台形状に加工し、1/4の丸みに4枚張り合わせてから外側と内側から鉋(内側は丸鉋)で削り丸く仕上げました。思ったより整った仕上がりになりました。
(2)チューナー専用の収納スペースを確保
小物収納スペースはワイドにしました。ついでにヘッド下の空きスペースを使い、チューナーを裸で収納できる専用スペースも作りました(チューナーの出し入れがとっても楽)。
(3)蝶番はストッパー付
ケースの蓋を開けると直角のところで止まるストッパー付の蝶番を使用しました。 ストッパー付の蝶番は市販の楽器ケースにはよく使われていますが、売っている店はほとんどなくなかなか手に入りません。インターネットで調べまくり、やっとのことで浅草の鞄金具の専門店「株式会社 横谷」さんが1個からでも通販してくれるという情報を発見、早速注文しました。 しかもこれが激安!(蝶番1個47円、パチン1個109円、取っ手510円)
ウクレレもケースもまずまずの仕上がりです。材料代の総費用は17,200円(ウクレレキット=13,500円・ケース木材・内装・金具=3700円)です。 製作期間は初心者のため、いろいろ思考錯誤に時間を要しそれぞれ3週間ほどかかりました。
【仕様】
TU-KIT-5(HOSCO テナーウクレレキット):税込定価16,800円
表面板:マホガニー単板
裏板:マホガニー単板
側面板:マホガニー単板
サイズ:テナー
糸巻:機械式
・写真1(ヘッドの装飾)
・写真2(ロゼッタのインレイ)
・写真3(ケース全体)
・写真4(ケース小物入れ部分)
・写真5(ケース構造:内部)
・写真6(ケース構造:側面)
・写真7(ケース側面)
今回のキットは株式会社ホスコのTU-KIT-5です。テナーウクレレの本格的なキットですね。HOSCO社では近年様々なキットをラインナップしており、ウクレレファンから注目されています。じつは私もつい先日、雑誌の記事を書くために同社のコンサートウクレレキットUK-KIT-5を完成させたところなんです(6月ごろウクレレムック発売予定)。HOSCO社もがんばってますねぇ。私の5弦のウクレレは東京の5月の展示会「THGF2010」に出展します。夏には「上海万博2010」の楽器館にも出展します(ウソ.... だいたい楽器館なんてあるのか?)。
・株式会社ホスコのキットのページ:http://www.hosco.co.jp/japan/pages/hosco_kit.html
・株式会社 横谷:http://www.hotfrog.jp/%E4%BC%81%E6%A5%AD/%E6%A8%AA%E8%B0%B7_4480959