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■ 015:Home-brew Guitar BALA
■楽器名:Home-brew Guitar BALA
■製作者:岡田渉 (Okada Wataru):http://www.okadadenko.com/cg/
■コメント:製作の動機はホームページに記載してあるとおり、670mmのスケールでネックの太い、静かなギターが欲しかったというものです。静かといっても、サイレントギターとかではなくて、そこそこ音がわかるという程度の音量です。安ーいピエゾピックアップを仕込んであるので、アンプにも出力できますが、プリアンプが必要です。
【苦労】
苦労したところは、ギター製作というのは初めてだったので(開始は2004年5月、かつ間に10ヶ月ブランク有り)、材料の入手の仕方がわからなかったところと、いかんせん「電動」と名が付く工具が無いので、切ったり削ったりに以上に時間がかかってしまったことです。トラスロッドを仕込むスロットの掘りまで手作業です。(ルータが無い&使うにはうるさいんです。最初に始めたときは一日がかりでした。)ただ、最近ではその作業も少しは早くなりました。人間、脳は古くても身体は慣れやすいものです。
【工夫】
苦労するところを極力少なくするためにすばらしい工夫をしています。それは、精度といったものを必要とする場所を極力少なくすることです。セットネックやボルトオンは止めました。ネックポケットの精度に自身がないためです。基本的なスタンスは、正しいフィンガーボードを作って最低限それに合わせて製作し、かつネック〜ボディの状態をまっすぐに保つという2つです。それに併せてインレイなんていう芸術的になものは(是非入れたいのですが、テクニックがないので)排除しました。あとはバックの板を取り外しできるようにしました。写真はローズウッドのものですが、マホガニーに代えると音がポカーンといった感じになります(個人的主観200パーセント)。
【悩み】
塗装は、よくホームセンター等でも売っているウレタン系のニスです。最初は「家具調にしよう」といった以外、具体的な塗装法を決めかねていたのですが、結局、入手しやすいニスにしました。きちんと目止めを繰り返して3度くらい拭き塗りしてあげると、けっこうつるつるになります。ただし、表面の硬化が弱いので傷がとっても付きやすいのが残念なところです。何かニス用のトップコートとか代わりのものはないもんでしょうか(2液性のニスを使えばもうちょっとマシらしいです)。 あとは材料です。メインとなるのはボディーに使っているマホガニー材なんですが、StewMacから手ごろな大きさのものを手に入れて使っているんですが、買うときに見ることができないので怖いんです。
【好き】
ボディシェイプが好きです。名前のBALAはバラバラのバラではなくて、「バラライカ」のバラです。色々なシェイプを試してみたんですが、結局この形になってしまいました。なんだか○ベーションのエレキに似たような形になってしまったんですが、このシェイプが座ったときにいちばんしっくりするわけです。後は後姿(バック)が好きです(個人的主観1000パーセント)。
バックの板はボディにビス止めされています。あまり出っ張らないように「超低頭」なんていう社会人の鏡のようなビスを使ってます。これが高かった。おまけにビス止め用のアンカーをボディに埋めてありますが、これも高かったです。_| ̄|○
ヘッド裏とボディ裏のローズウッドのコンビがよろしいかと思うのは個人的主観10000パーセント。
ブリッジの形にも悩みました。厚いものや薄いもの、色々試してみたんですが、薄いほうがなんだか良い感じです。ボディ厚は約30mm。
【鶴田より】
なるほどバラのネーミングは「バラライカ」からきていたのですね。とても整理された構造と素晴らしいアイディアでとても個性的なモデルに見えます。微妙なボディ形状といい、ネックが広く太いという点など徹底して「自分モデル」を貫くという姿勢は見習うところがあります。しかも製作過程でトラスロッドのスロットまで手作業で掘ってしまうという根気強い手作業。熱意あってこそ完成をみたのでしょう。670mmの弦長だとサスティーンや深い響きが期待できまが、この楽器を使った演奏も御本人のサイトで聴けますので皆さんにオススメ! いいムードが出ている演奏ですよ。
■製作者:岡田渉さんのホームページ:http://www.okadadenko.com/cg/