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■ 009:天野 良則 さん
アコースティックギター「MARTINキット OM-28」
【製作者のコメント】
【はじめに】
Web上で発注したMARTINキット、OM-28です。発注から5週間後に到着し、開梱してみてガックリ!! なんと、あるはずのヘッド裏のダイアモンド・ボリュートが無い。 これじゃー、OM-18と見間違えられるやんか、と思いながら、気落ちしたまま、6/1(土)に製作に取りかかりました。そして7/13(土)に完成。 気が付いたら、もう、ボリュートのことなんかどうでもええや、という感じでした。ところで、今回のマーチンキット製作のアドバイスをいただきました皆様に、鶴田さまのHPをお借りしまして、厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。
・参考写真
【仕 様】
●トップ:スプルース(板厚 3.0mm)
●サイド、バック:インディアン・ローズウッド(板厚・・・サイド2.0mm、バック2.9mm)
●ブレイジング:スキャロップ(接着は液体ニカワ使用)
●ブリッジ、指板:エボニー
●ペ グ:Waverly(アイボロイドつまみ)
●トラスロッド:AJ
●ピックガード:アバロンラミネート
●ブリッジ補強板:ローズウッド(バックの端材使用)
●バインディング:メープル
●スケール:OMサイズ
・参考写真
【音について】
●タイトで、深みが有り、立ちあがりの速い音。
●マーチン独特の倍音豊かな音です。
●クラプトンのアンプラグド「レイラ」のイントロの
”あの音”がします(気のせいじゃ・・・)
【製作を終えて】
●当初の予定の半分以下の製作期間でできました(残業で遅く帰っても作業をした成果)
●自作の治具(スプールクランプ、カムクランプ、ブリッジ押さえ、各種接着作業時のブロック)は合計数千円、また、作業台は、平面度のよい台所机が粗大ゴミの日に落ちていたのを拾ってきたので、タダでした。以上のように、治工具類にはほとんど投資せずに済んだ。
●フレンチポリッシュ(もどき?)で行った塗装は思いのほか、仕上がりはGOODでした。塗装の仕上がりは、学生時代に間近かで目にしたヘルマンハウザーI 世の 塗装(シェラックだと思います)のイメージに近づけたかったのですが、それが達成できました(手塗りの味とでもいいましょうか・・・)
・参考写真
【反 省】
●今後も作るかどうかは未定ですが、今後作るとしたらもう少しじっくりと作業をしようと思います。
●ネックジョイント作業が、イマイチでした(接合精度をもっと上げるべきか)
【あとがき】
今回はネット上で数多くの先達の方々の作業風景を参考にしながら、また迷惑と思うような不躾けな質問メールなどをしながら、自分の頭の中でイメージを十分作ってから製作にとりかかれましたので、あまり立ち止まることもなく、ドンドン作業をすすめることができました。 最初の製作だったこともあり自分独自のオリジナリティをあまり出せませんでしたが、また機会があれば今度は、今回以上に精度よく組み立てることと、独自性を入れるなどしてみたいと思います。
●ご意見、問い合わせ先:
天野 良則 amisuzu@d1.dion.ne.jp
※お金を掛けないジグ類の製作方法などお教えできたらと思います。
【鶴田より】
マーチンのキットはいろんな方々が製作されていますが、マーチンの音を再現するのはたいへんでしょうね(それこそが楽しみでもあります)。さぞ天野さんは入念に製作され、その成果がちゃんと作品に反映されていると察しまする。気に入った音が得られるというのはこのうえなくシアワセなことですよね。私も現在 Martin の O(シングル・オー)タイプを製作していますが、スチール弦ならやはりマーチンはアコギファンにとってひとつの理想の音ですもんね。OM はウエストのくびれ具合井が微妙な味わいでこのモデルのこの音のファンも多いようですが、いずれ私もこういった大きめのギターも作ってみようかと思います。トップはスプルースで板厚 3.0mmとはけっこう厚いんですね。糸巻きはWaverly! アバロンラミネートのピックガードがまばゆいっ! 写真から拝見しまするに、全体的に製作の工夫が見られ、アイディアにもコダワリを感じます。奥様のおみ足も特別出演ということでありがとうございます(笑)。