ウイーンスタイル代表 

 G.シュタウファー

製作者:ヨハン・ゲオルク・シュタウファー(オーストリア/ウイーン)

1820年以降製作

 

ヨハン・ゲオルク・シュタウファー(1778年に生まれ1853年に没)はもともとイタリアのギターをもとに製作をはじめましたがのちに息子とともに独自のスタイルを築きそれはウイーンスタイルと呼ばれ一世を風靡しました。ちなみに息子のアントン・シュタウファーは1805年に生まれ父より早く1843年に没しています。両シュタウファーによるギターは19世紀後期に至るまで周辺国の製作家たちに大きな影響を及ぼしました。マーチンの創始者は当初楽器ケースを専門に製作した家具職人で、のちにこのシュタウファー工房に入り1833年に工房を出るまでシュタウファーの楽器をケースに入れてアメリカなどに販売していたようです。マーチン自身は工房修行中ではシュタウファースタイルの楽器は作らなかったともいわれており、のちにアメリカにマーチンが移住してからギターやウクレレを製造・販売するようになったとされています。この楽器はスタイルなどから1820年以降、または1825年以降であろうと推測されていますが明確な製作年の入ったオリジナルラベルが貼られていないので正確な身元が不明瞭です、レプリカではないと思うのですが?? 今後新情報が入りましたら更新します(びわりんさんのホームページも参考に)。

【写真提供】

この楽器は「19世紀ギター倶楽部」さんから写真と情報の提供をいただきました。ありがとうございました。

 

 

・弦長:590mm

・表面板:松

・裏板・側板:メイプル

 

写真のギターはデッドストックとして残されていたものを若干がなされたものです。まるで去年作ったというような非常に良い状態の楽器です。オリジナルでこのコンディションは非常に珍しいでしょう。

 

■ 写真1 :シュタウファーといえばこの指板を表面板から離す構造でも知られており、ボルトでネックの仕込み角度を調整できるものと固定されたモデルとがあったようです。ちなみにラコートも同様の構造のギターを製作しています。

 

■ 写真2 :こちらはシュタウファーから影響を受けて製作したマーチンの初期のギターです。1835年のギターですが明らかにシュタウファーのスタイルであることがわかります。マーチン社のカタログなどでもその歴史が紹介されています。

 

 

 

 


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